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Vol.106 小西 雄大

あの時、大阪に行ったから
今の自分がある

小西選手は小学生の時、2人の兄の影響でサッカーを始めた。小学校のチームを経て、小学4年生の時、兄たちが所属していたプルミエール徳島SCに加入する。
「プルミエール徳島SCは中学生のチームでしたが、特別に入れてもらったんです。最初はフィジカル面も他の選手より劣っていましたが、タックルされて転ぶと怒られてしまうので当たりにも強くなっていきました。元々、負けん気が強かったのですが、さらに強くなりましたね。米田大志監督が自主性に任せてくれて、自分の長所をさらに伸ばすような指導をしてくれたことも大きかったです」

そして小学校卒業と同時に、親元を離れてガンバ大阪ユースに加入する。
「今、考えると大きな決断でしたが、小学生だったので深く考えて決めたというわけではなかったんです。もちろん徳島でサッカーを続けるという選択肢もありましたし、年齢的に県外に出るのは早過ぎるという声もありました。でも親はやりたいようにやればいいと言ってくれましたし、プルミエール徳島SCの監督やコーチ、兄たちが行った方がよいと背中を押してくれたので決断しました」

大阪では親戚の家に住み、地元の中学校に通いながらガンバ大阪ユースの練習に通った。
「大阪に行ってすぐに熱を出し、それが1カ月ぐらい続きました。自分ではそれほど感じていないつもりでしたが、ホームシックやストレスなどもあったのだと思います。あのまま徳島にいたらもっとスムーズだったかもしれませんが、早く親元を離れたことでサッカー以外でも成長できましたし、大阪で何度も挫折を経験したから今の自分がある。あの時、大阪に行って本当によかったと思っています」

信じられない気持ちだった
ホームでのデビュー戦

ガンバ大阪Jrユースでは日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会3位、自身も得点王に輝くなど活躍。ガンバ大阪ユースではキャプテンを務めた。
「自分たちの代は勝てなくて、最初は“史上最弱”とまでいわれていたのですが、最終的に結果も残せましたし、堂安律選手、食野亮太郎選手(現・ガンバ大阪)、渡辺健太選手(現・FC町田ゼルビア)などの同期もJリーグで活躍しています。ハングリー精神を持って頑張ればどんな環境も変えられるのだなと。常に同期と競える選手でいたいですね」

昨シーズンはガンバ大阪でトップチームに2種登録され、ガンバ大阪U-23としてJ3リーグ2試合に出場。今春、高校を卒業し、ヴォルティスでプロサッカー選手としてのスタートを切った。
「プロになって約5カ月ですが、サッカーに打ち込むことができています。デビュー戦となった第4節大分トリニータ戦では、スタジアムの雰囲気もサッカーのレベルも、ユースとは違うと改めて感じました。試合前にリカルド ロドリゲス監督や岩尾選手、杉本選手から“いつも通りのプレーをすればできる”と言ってもらっていたおかげで、冷静に試合に入ることができました。試合を楽しむこともできて、緊張よりもわくわくする気持ちの方が強かったです。点を取るチャンスも何度かあった中で決めきれなかったことは課題ですが、トータルではよい内容のデビュー戦だったと思います。何よりも勝利でき、よいスタートが切れたことがうれしかったです」

アウェイで行われた第5節横浜FC戦にも出場し、続く第6節松本山雅FC戦では、ホームでのデビューも果たす。
「 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムには小学生の時、2回ぐらい行ったことがありますし、スクール生として練習をしたこともあります。小学校の時は将来、自分がヴォルティスの選手として、ここで試合をするなんて想像すらしていなかった。本当に信じられない気持ちでした。当日は地元の知り合いなどがたくさん応援に来てくれて、アウェーよりもプレッシャーを感じました。いいプレーをしたいという思いから力が入ってしまって、苦いホームデビューとなってしまったのが残念ですが、とてもよい経験になりました」

自分にできることを最大限表現できる選手になりたい

その後、第7節レノファ山口FC戦、第12節ファジアーノ岡山戦に出場。第15節水戸ホーリーホック戦ではサブメンバーに名を連ねた。だが、その後はベンチに入れない試合が続いている。
「メンタル面で課題があったことも理由の1つだと思っています。例えば以前はピッチに入ったら選手同士のキャリアや年齢差なんて関係ないと分かっていても、どこかで意識してしまっていたんです。でもルーキーの自分と他の選手とでは積み上げてきたものが違って当たり前で、どれだけプレーに自信を持てるかが大事だと思えるようになりました。まだまだチャレンジャーの立場なので、これからもっと挑戦も失敗もしていきたいです」

色々な位置からシュートを打てることが小西選手の強みだ。
「監督からもどんどんシュートを打つように言われているので、武器である左足からのシュートシーンを増やしていきたい。以前は点を取れる選手、何でもできる選手になりたいと思っていましたが、今は自分にできることを最大限表現できる選手になりたいと思うようになりました。攻撃で縦にパスを出したり、守備でプレスをかけたり、得点以外でも結果を出していきたいです。そして今、改めてコンスタントに試合に出続ける難しさを実感しているので、1年間戦える体、そしてメンタルを手に入れて結果を残したい。J1昇格に貢献することが目標です」

7月1日には「四国ダービー」となる第21節愛媛FC戦も控えている。
「絶対に負けたくないですね。子どもの頃の自分がそうだったように、徳島県民はやはりヴォルティスが強いチームであって欲しいはずですし、自分も“ヴォルティスの選手みたいになりたい”と憧れられるような選手にならなければいけないと思っています。特に徳島県出身の選手として、点を取って県民の期待に応えていきたいです」

徳島県民の期待に応えたいです

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