スクワットにおける機能について
2016-11-16 17:00
前回は、スクワットのフォームの注意点について書きました。
今回はその続きです。
まずは、その形でスクワットをできるということは機能としてどのような状態なのかを書いていきます。
・上半身とすねが平行である。
→ 身体全体のトータルの動作バランスですね。
フォームについてはいろいろバリエーションがある中で、足関節・膝関節・股関節がバランス
よく稼働している状態です。
なおかつ負荷を乗せ易いフォームであると言えます。
・背中の伸びを保てている。
→ 「背中の伸び」は「肋骨と骨盤が引き離されて距離が遠い状態」であると言えます。
この状態は、身体内部の筋肉群が適切に働いて背骨のポジションを守っています。
・もも裏が地面と平行になるまでお尻を降ろせている。
→ 股関節・足関節の可動範囲が適切であれば、このへんまでは普通にお尻を下ろせます。
・つま先と膝が同じ方向を向いている。
→ 臀部を中心に股関節周りの筋肉が適切に働いている状態です。
・体幹部が安定している。
→ 重量を担いでもブレない体幹の筋力が要求されます。
・足裏の荷重がつま先やかかとに偏らずに、足裏全体にかかっている。
→ 動作全体の中での身体制御能力です。
ざっくり書きましたが、まぁ本当に色々あります。
形(フォーム)は大事。
ですが、形だけそれっぽくてもダメなケースもあるんですね。
可動範囲だけあれば良いということではないので。
次回はそこらへんをもう少し掘り下げて書いていきたいと思います。
フィジカルコーチ 青柳
スクワットについて
2016-11-09 17:00
前回の続きです。
スクワットはスプリント能力を高めることにつながります。
スクワットをしっかり積み上げることとスプリントのトレーニングをすること。
これだけでもスピード向上につなげることができます。
今回は、スクワットの正しい姿勢について書いていきます。
ヴォルティス・アカデミーでもスクワットのフォームをフィジカルテストの機能テストの項目の一つに入れています。
スクワットをきっちり出来ることそのものが必要な機能でもあるんですね。
例えば、スクワットで「腰痛い」なんてことはあり得ることですが、それは何が問題なのか。
スクワットのように重りを担いでプレーするわけではないと言ってしまえばそれまでですが、スクワットがしっかりできていないということは、身体の制御に問題があると考えます。
重さの程度も当然影響しますが。
ここで、スクワットを悪者にしないことです。
満足にできない「機能」が問題であると考えます。
色々考え方はあるでしょうが、そう考えて解決させていく方が向上につながります。
スクワットの姿勢一つとっても色々考え方がありますが、以下を基準としてテストしています。
・上半身とすねが平行である。
・背中の伸びを保てている。
・もも裏が地面と平行になるまでお尻を降ろせている。
・つま先と膝が同じ方向を向いている。
・体幹部が安定している。
・足裏の荷重がつま先やかかとに偏らずに、足裏全体にかかっている。
形としてはこれが基本になります。
次回以降にもう少し深く掘り下げていきます。
フィジカルコーチ 青柳
スクワットでスピードアップ
2016-11-02 17:00
今回はスピードアップについて書いていきたいと思います。
単純な話ですが、スピードはあったほうが当然有利です。
サッカーにおいてはよく、「サッカーにおけるスピードは複合的なものなので、直線でのスピードが早ければ良いわけではない」
というようなことが言われることがあります。
確かにサッカーに必要とされるスピードは、状況把握・判断・行動開始・動作スピード・移動スピードなどなど、多岐にわたります。
単純に直線スピードが速ければ良いというわけではないですね。
が、
直線スピードが早ければ有利ですよ。
間違いなく。
そこを否定する理屈にはならないんですね。
サッカーにおける「スピード」の構成要素である以上は。
例えば、メッシ選手が50m走るのに10秒以上かかるような鈍足の選手だったらどうでしょうか?
駆け引きやタイミングだけで全て解決するでしょうか?
難しいと思います。
って事なんですね。
直線スピードを伸ばすにはどうするか。
一つの方法として「スクワット」があります。
スクワットは非常に有効なトレーニングです。
筋肉は人間の身体の「エンジン」ですから、その「エンジン性能」を上げていく作業はスピードアップにつながるんですね。
スクワットは股関節・膝関節・足関節の3つの関節を同時に稼働させます。
「トリプルエクステンション」などと呼ばれますが、これが走る動作にも必要な要素である為、スクワットが効果的なエクササイズとなるのです。
スクワットなどの筋トレで逆に脚が遅くなるなんて話もありますが、ほぼ迷信です。
やり方に問題があるか、既に相当突き詰めている人の話か、どちらかだと思います。
ただし、効果的なスクワットにはいくつかの「コツ」があります。
この「コツ」を抑えることが大切です。
スクワットには、複数の身体機能が求められてきます。
スクワットをしっかりできるということはアスリートとしての土台として大切なことです。
スクワットのフォームが良い
→ 負荷をかけやすい
→ 筋力が上がる
→ (他のトレーニングとの組み合わせによって)スピード向上につながる。
ということになります。
次回に続きます。
フィジカルコーチ 青柳
行動すれば変わる
2016-10-27 17:00
四か月に一度のフィジカルテスト。
今回も非常に良い向上を示した選手が何人もいました。
毎回のことではありますが、やはり向上していくことは単純に喜ばしいことです。
その中で、毎度気になっている「タイプ」の選手がいるんですね。
そのタイプとは、筋肉系の発達が明らかに早いタイプ。
「早熟タイプ」なんていい方をされたりもしますね。
早熟が問題だとは思っていません。
最終的に良ければ良いわけなので。
が、以下のようなパターンは注意が必要なんですね。
そのパターンとは、
中学1、2年生の年代で、、
(小学生でも同じことが言えます)
・割と骨太で筋肉系の発達が著しい。
・瞬発力が同じ学年では高い
が、高校生年代の中ではそうではない。←ここが重要
・持久力が低い ←ここが重要
で、こういうタイプの選手が同じ年代の中で相対的に体格やパワーに優れるので、パフォーマンスが高い存在になることが多いです。
それによって持久力や技術面をカバーできているケースが多いんですね。
すると、上の年代に行くに従って周りが体格的に追いついてきて、本人は走れない、なんてことになりうるのです。
もちろん、最終的にも体格・パワーを特徴とできる選手もいるので、一概には言えませんが。
また、体格・パワーに相対的に優れる選手は、筋肉が硬くなりやすかったり、精密な動きを司るインナーマッスルの働きが不十分であることが多い。
そうすると、腰痛などの障害になりやすいということも言えるんですね。
前述の選手は今回の測定で柔軟性テストを満点(前回は五点満点で一点)、12分間走も四ヶ月前から100m以上伸ばして学年の目標水準まであと少しという結果を出しました。
地味といえば地味ですが、とても大きいことだと思います。
行動すれば、変わるんです。
こうした積み上げの一つ一つがレベルアップにつながります。
フィジカルコーチ 青柳