残留への執念
2021-11-26 20:40
リーグ戦は最終盤。残り2試合で今シーズンのJ1リーグの全日程が終了する。残留を掴み取るためには、何としても2勝を達成したい。
前節、FC東京戦は2-0で勝利し、勝点3を上積みするも残留を争う16位清水、15位湘南もそれぞれ勝利したため順位に変動はなかった。しかし、この価値ある3ポイントが今節・湘南との直接対決への弾みとなる。仮に今節、勝点を失った場合、清水の結果次第では降格が決定してしまう可能性がある。「勝利のみ」徳島が生き残るためには何としても3ポイントが必要となる。
前節・FC東京戦では岩尾キャプテンがスタメンに復帰。その心強さと安定感をピッチ内で表現した。そして勝利を引き寄せた藤田ジョエルのJ1初ゴール、上福元のPKストップ、エース垣田の追加点により、思い通りの展開でゲームを進めることができた。チームとしてはポジティブな要素が多く出たゲームだった。試合後、藤田ジョエルは『最初から自分たちが勢いを持って試合に入れたことが先制点につながったと思う。先制点が取れた後も、早い段階での失点や後半に入ってからの失点が無くて、逆にワンチャンスで追加点を奪うことができたことが、この試合を決めたポイントだった。』とゲームを振り返り、『まだ何も成し遂げられていないので、残り2試合もみんなで全力で戦って、残留を掴み取りたい』と続けた。絶対に勝たなければならない状況で、一人一人が力を出し切ることできた。満足のいくゲーム内容にチームは自信と勢いを持って今節のアウェイ・湘南戦に臨む。
湘南戦、試合2日前のオンライン会見にてダニエル監督は『(会見のはじめに)まず湘南ベルマーレのオリベイラ選手のご家族の皆様にお悔やみの言葉をお伝えします。同じサッカー仲間の一人が亡くなられたことに対して、心を痛めております。湘南ベルマーレの皆様にもお悔やみの言葉を謹んで申し上げます。
私自身もエスパニョールに在籍している時に、ダニエル・ハルケ選手が亡くなったことがあり、苦しい経験をしたことがあります。同じクラブの仲間を亡くした苦しさは私自身も理解しております。』と24日に亡くなられた湘南・オリベイラ選手についてコメントした。
徳島ヴォルティスの選手・スタッフ一同、Jリーグファミリーとして、本当に悲しく残念な思いです。心よりご冥福をお祈りいたします。
今節の戦いの舞台であるアウェイ湘南といえば2年前のJ1昇格プレーオフ決定戦が印象深い。あの悔しさを岩尾は忘れていない。『長く在籍している選手にとっては思い出深いスタジアム。あのスタジアムでやり残したことがあるかと聞かれれば無いのですが、それでも昇格できなかった結果だけはあの地に残っているので、非常に悔しい思いをしたあの日の自分を忘れていない。それがまた同じ場所で割と似たようなシチュエーションの中でプレーすることに何か縁も感じいるし、自分自身乗り越えられるのかと問われているような感覚もある』と自身の想いを語る。また、『そういった思いも含めて、僕だけではなくて、当然サポーターの皆さんやスポンサーや関係者の皆さんもあの瞬間悔しい思いをしたのは同じだと思うので、そういった思いも含めて、しっかりといい準備をしていいメンタリティを持って乗り込みたい』と意気込みを続けた。
湘南もまた勝利へ貪欲に戦ってくるはず。相手の印象について 鈴木徳真は『直接対決という状況的にも堅めてくるだろうし、またチャンスとみればアグレッシブに前からくるなという印象。いかにそこを崩していけるかがポイント』と話す。スタジアムの雰囲気も含めて、相手に流されず徳島のスタイルに集中して臨むことが重要だ。
終盤にきて今シーズン積み上げてきたものが、一つの形となり、ピッチで表現されるゲームも増えてきた。今、チームは誰が試合に出ても自分たちのスタイルを表現できる自信を持っている。後がない状況でもポジティブな状態で臨めることは大きい。
あとは、この大一番においてファン・サポーターの皆さんの後押しが必要不可欠。運命をかけた90分。共に戦い、最終節へ望みを繋げられるよう勝利を掴み取りにいきましょう。