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Vol.37 小林 伸二 監督

四国初のJ1チームを目指す
熱意が伝わった

徳島ヴォルティスからオファーがあった時、とてもびっくりしたそうだ。昨シーズン、4年間率いたモンテディオ山形をJ2に降格させてしまった責任の重さもあり、充電期間にするつもりだったと穏やかな口調で語る。
「12月に社長と強化部長が、わざわざ山形まで訪ねてきてくれたんです。不思議なもので、それまでは全く考えていなかったのに、オファーがあればやっぱりやりたくなるんですよね(笑)。初めて出会う選手やスタッフと一緒に仕事ができるのは楽しみだし、何よりも新しいチャレンジができることはうれしいことです」

ただ、J2から離れていたこともあり、セレッソ大阪や大分トリニータで監督をしていた時期に指導していた選手を数名知っている程度で、ヴォルティスに関する情報はあまり持っていなかったそうだ。それでも引き受ける決心をするまでに時間はかからなかった。
「四国初のJ1チームを出したいという、社長をはじめとするクラブの熱意が伝わってきたことが一番大きかったですね。8年目を迎え、身の丈にあったチーム運営ができるようになり、それに伴ってチームも伸びてきたという話も印象的でした。そういう時期に自分に声をかけてもらえたことがうれしかったです」

もう1つ決め手になったのは、徳島ヴォルティスのハード面だ。以前、徳島ヴォルティスにいた選手からも、練習環境、特にグラウンドの状態がよかったと聞いていたのだという。 「選手にとって環境は本当に大事なんです。特にグラウンドコンディションは、練習内容にも大きく関係しますから。環境が整っていることが、いい選手が加入してくる第一歩にもなる。そういう意味でも、自分のグラウンドがあり、クラブハウスやその中の施設など、徳島ヴォルティスの充実した環境は魅力的でした」

オファーから約1カ月後に徳島へ。そして1月19日、新監督の元、2012年の徳島ヴォルティスは始動した。

小林 伸二監督

小林 伸二監督

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今あるものを大事にしながら
攻守を確実に

昨シーズンと比較して、今シーズンは監督だけでなく、キャプテンをはじめ、10人以上の選手が入れ替わった。
「新しいチームだと捉えています。ただ、指導については大きな変革をするのではなく、今あるものを大事にしていこうと。細かい所を修正し、新規加入の選手を活かすことで、攻撃、守備共により確実なものにしていきたいと考えています」

1、2月に行われた1次キャンプではフィジカル、2次キャンプではゲームを中心に行い、まず、各選手がどれくらい表現できるのか、そして、チームとしてはどのぐらいできるのかを確認した。
「その結果、個人としてはできているけれど、チームとしてできていない所も見えてきたんです。例えばゲーム中、個人の感覚ではなく、共通理解の元に動ければ、もっと変われるという部分も見つかりました。ですから、お互いの理解を深めて、戦術を共有していくことによる変化を期待しています」

できる限り、選手と一緒に動いて、ほめたり、厳しく指導しながら、熱いものを伝えていきたいと語る。インタビュー当日の練習でも、選手のそばに近寄り、身振り手振りを加えながら指導する場面が何度も見られた。そして、2時間の練習終了後も、長い間、数名の選手を熱心に指導していた。
「コミュニケーションをとったり、自分をちゃんと見てくれていると感じることで、選手はオープンになるし、前向きになります。シーズン中は調子がいい時も悪い時もあるのが当たり前ですが、悪い時にもうひとふんばりできるのは、試合に出る選手はもちろん、出ていない選手も常に1つになっているチームなんです。だから、選手全員とコミュニケーションをとることを大切にしながら、自分が昇格のために真剣に取り組んでいることを言葉だけでなく、態度で示していきたい。情熱を伝えたいですね」

小林 伸二監督

小林 伸二監督

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選手たちの
目の輝きがうれしかった

雪の山形から徳島に来た時、「12月なのに太陽がこんなに近くに感じられるなんて」と驚いたそうだ。
「いい所だなあと。長崎出身で海の近くで育ったので、おいしい魚が食べられることや魚釣りができることを楽しみにしています」

さらに徳島で楽しみにしているのは、サポーターといい関係を築いていくことだ。実は山形では、就任当初10人程度だった練習見学者が徐々に増えていき、いつのまにか100人以上になっていたのだという。
「練習後は1時間かけてサインや記念撮影をするのが日課でした(笑)。やっぱり応援してもらえるとうれしいんですよね。徳島ヴォルティスのサポーターも熱いと聞いているので楽しみです。今日も平日にも関わらずたくさんの方が来てくださっていましたが、チームの頑張りが伝わって、もっとクラブが地域に根づいていくといいですね」

もちろん、昨シーズン4位という結果に終わっただけに、サポーターの監督への期待も感じている。
「ただ、マジシャンではないので、自分が来ただけで昇格できるものではありませんし、ゼロからのスタートです。でも積み重ねもあり、期待の大きさ、強い思いは力になりますから、それにしっかりと応えていきたいと思っています。昇格するためには、選手全員が毎日きちんと準備をし、努力するしかありません。昨シーズンは本当に悔しかったとか、新しいチームで頑張るぞとか、各自がいろいろな思いを持っているはずですが、チームに初めてきた日、選手たちの目が輝いて、本気だと伝わってきたのがうれしかったですね。ずっと、その気持ちを忘れずにチャレンジャーとして戦い続けること以外、昇格への近道はないんです。この1年、J1昇格に向かってチャレンジを続けていきたいと思いますので、熱い応援をお願いします!」

小林 伸二監督 - ゼロからのスタートですが、大きな期待に応えていきたい

小林 伸二監督

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