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Vol.50 斉藤 大介

今、ケガはマイナスでは
なかったと思える

昨年8月22日、第30節の湘南ベルマーレ戦で、右アキレス腱断裂の重傷を負った。全治約6カ月と診断され、すぐに入院。残りのシーズンをリハビリに費やすことになった。
「大きなケガは初めての経験でした。でもケガをしてしまったのは仕方ないと、すぐに気持ちを切り替えたんです。シーズン中、もうピッチに立てないことは分かっていましたから、『それなら来年の開幕に向けてしっかり準備しよう。そこに照準を合わせて、日々のリハビリやトレーニングに取り組もう』と決意しました。ケガをした日から6カ月後というと、翌年の2月22日。普通にいけば、3月の初めの開幕戦にはチームに戻れるんじゃないかと。トレーナーには難しいと言われましたし、ケガを経験した選手からも『そんなに簡単ではない。何回も壁にぶち当たるよ』とアドバイスされたのですが、順調に回復して、改めて強い気持ちというのは大事なんだと実感しました」

2月の宮崎キャンプでチームに合流。時間を限定して練習試合に出場するなどしてゲームの感覚を取り戻し、自分の思い描いていた形で実戦に復帰。そして、ホームで行われた3月3日の開幕戦、途中出場を果たす。
「目標設定をして、気持ちの切り替えがしっかりできたからこそ、開幕戦に間に合ったと思います。入院中はいろいろな選手がお見舞いに来てくれて、家族も毎日来てくれました。手術を担当してくださった先生、リハビリの先生、チームのトレーナーやスタッフなど、たくさんの方の協力や支えがあって、今の自分がある。ケガをしてサッカーから離れたことで、客観的にチームを見ることもできたし、ボールを蹴れる幸せに改めて気づくことができました。今、ケガはマイナスではなかったと思えますし、毎日、サッカーができる幸せを噛みしめてピッチに立っています」

斉藤 大介

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チームの中で
見本になれる選手に

小林監督からキャプテン就任を打診されたのは、今年2月、宮崎キャンプ終了後だ。
「ケガでチームから離れていたので、正直なところ、自分でいいのかという戸惑いもありました。その一方で、監督の思いに応えるために、絶対に開幕戦で復帰してやろうという気持ちが強くなったんです」

京都サンガF.C.や金光第一高校(現・金光大阪高校)でもキャプテンを経験してきた。
「キャプテンとして、どういうチームにしたいということは、実はそんなに考えていません。監督の目指すサッカーを実現するために、選手と監督、スタッフの間に入って中心的な役割をしていければと思っています。ただ、チームの中で見本になれる選手でありたい。キャプテンだからというわけではなく、積極的に声を出していきたいし、自分のプレーやサッカーへの姿勢を見て、他の選手が『自分もあんな風になろう』と思えるような選手でいたいです」

チームでは昨シーズンに続き、本来のボランチではなく、センターバックのポジションを任されている。
「京都でも少し経験のあるポジションなのですが、最初は戸惑いもありました。最終ラインなので、自分の小さなミスが決定的なピンチを招き、失点につながってしまうという難しさはありますね。でも自分がボールを持った時にあまりプレッシャーがかからない分、攻撃の起点になれるところなど、楽しさも見出せるようになりました。最近はサイドに自分の持ち味であるロングボールを出せるようにもなり、やりがいを感じています」

ボランチへのこだわりもあるが、いろいろなポジションを経験することは選手としての幅が広がるため、いい経験をさせてもらっていると語る。
「今後はもっと競り合いに強くなりたいですし、突破のスピードにも対応できるようにしたい。両サイドのディフェンダーとコミュニケーションをとりながらやっていますが、お互いにポジショニング、コーチングなど、いろいろな部分を考えていく必要があります。自分はスピードがある選手ではないし、対人も強くないので、特にポジショニング、カバーリングを大切にしています。そうやってお互いがいいところを活かし、弱点をカバーし合った結果、3月24日の第5節FC岐阜戦では失点ゼロに抑えられたと思います。これからも監督がセンターバックで使いたいと思ってくれた期待に応え、最善を尽くしていきたいです」

斉藤 大介

斉藤 大介

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自分が中心になって、チーム
の雰囲気を作っていきたい

斉藤選手は、2011年8月、シーズン途中にベガルタ仙台から移籍。今年がヴォルティスで3度目のシーズンとなる。
「昨シーズンは自陣でしっかり守る部分が多かったのですが、システムが3バックに変わり、今シーズンはボールも人も動きが多くなりました。自分たちがボールを持つ機会が増えたので、楽しいですね。やはり守っているだけでは勝てないですし、ファン・サポーターの皆さんも点を取って勝つサッカーを期待していると思います。もちろん、しっかりと守備することが大前提ですが、ディフェンダーもゴールに向かうという意識が強くなったことで、実際に前にボールを運び、点を取れるようにもなっています。それが強みだと思うので、今後が楽しみです」

ヴォルティスが昇格にあと1歩及ばず、4位となった2011年シーズンを知る選手でもある。これまでに昇格を京都で3回、仙台で1回経験。また降格も経験している。
「本当に紙一重の部分で昇格を逃してしまった2011年のシーズンは、全員が昇格したいという気持ちを持っていたし、全力でプレーしていたのは確かです。でも、それでも何かが足りなかったのだと思います。それが何だったのかは今でも分かりませんが、1つ言えることは、昇格できるチームは常に結果を出しているということです。いつも自分たちのサッカーをして結果を出せるのが理想ですが、実際はそうはいかない。90分間のゲームの中で悪い時間帯が続くこともあります。そんな中で難しいゲーム、相手にペースを握られたゲームであっても勝ち抜けるチームが、昇格できるのだと思います。選手たちは練習でも試合でも100%の力を出してやっていますから、さらに何をしていくべきかというプラスアルファを各自が考えて取り組んでいけば、結果はついてくると思っています。その上で気持ちの部分やチームの雰囲気もとても大事です。選手だけでなく、クラブ、ファン・サポーター全員が力を合わせて雰囲気のよいチームをつくっていけば、必ず昇格できるはずです。そのために自分が中心になって、もっといい雰囲気を作っていきたいですね」

斉藤 大介 全員が力を合わせれば、必ず昇格できるはず

斉藤 大介

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