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Vol.53 キム ジョンミン

努力が自分のものに
なっている実感がある

韓国のサッカー強豪校・長薫高校を卒業後、2011年にヴォルティスに加入したジョンミン選手。高校時代からフォワードとして、高校生年代の国際親善試合で得点するなど、活躍していた。
 だが、加入1年目の2011年シーズンは、試合出場がわずか1試合で得点ゼロと、プロの厳しさを味わうことになった。続く2012年シーズンは、25試合に出場。開幕戦、第2節と続けて得点する活躍を見せたが、その後の得点は1点に留まり、最終的には合計3得点でシーズンを終えた。
「去年は自分では努力しているつもりなのに、なかなか結果が出なくて苦しい思いをしたシーズンでした。今年はシーズンの初めから去年以上に練習を重ねてきましたし、努力した分だけ自分のものになっているという実感がありました」

手応えを感じながら臨んだ今シーズン。シーズン初のスタメン出場を果たした3月24日の第5節FC岐阜戦でゴールを決める。この試合では前線から効果的な守備で、攻守ともに結果を残した。
「続けてきた努力が結果として表れた試合だったと思います。ようやくチームの中で自分の役割を果たすことができました。守備については、いつも練習中に自分の後ろで他の選手たちが指示を出してくれていたので、それが試合での動きにつながったと思います。もちろん、フォワードなので攻撃が一番大事だと思っていますが、ずば抜けた技術を持っているとは思っていないので、決められた役割を守備からしっかりと果たしてチームに貢献できるようにしたいですね」

キム ジョンミン

キム ジョンミン

彼とピッチに立っている
のが不思議だった

だが、第9節栃木SC戦にスタメン出場した後、第10節ではサブメンバーとなり、第11節から15節までベンチ入りできない試合が続いた。シーズンの初めから悩まされている細かなケガも原因の1つだ。
「筋肉系のケガが続いているのですが、プロに入るまではこういうケガを一度もしたことがないんです。様々な要因があるとは思うのですが、予防をしなければいけないと反省しています。どんなに体の管理をしっかりしたからといって、絶対にケガをしないわけではないけれど、最大限減らせるように、トレーナーの指示に従って練習前に準備をより念入りにするようになりました」

そして、久しぶりにサブメンバーに名を連ねたのが、ホームで行われた5月26日の第16節東京ヴェルディ戦だ。韓国から母親も応援に駆けつける中、途中出場からわずか1分後の後半17分に鈴木選手からのクロスに合わせて、体勢を崩しながらもヘディングで先制ゴールを決めた。

さらに後半38分には東京ヴェルディのキム ジョンピル選手が食らいついてきたところを巧みにかわして突破し、約35mをドリブルで持ち込み、ゴール前ではキーパーとの1対1を冷静に制して2点目を決めた。ジョンピル選手は、小学校から高校まで一緒にプレーしてきた同級生だ。
「1点目のヘディングは、どうにか頭で合わせて決めることができました。2点目はジョンピルがかなりくっついてきたので、かわせると思ったんです」

韓国では日本の部活に当たる学校でのスポーツ活動は少数精鋭で行われており、進学の際にサッカー部に入れるのは、全国大会などで結果を残した選手だけだ。そのため、高校、大学までサッカーを続けられるのは選ばれた選手のみで、その人数は非常に少ない。

ジョンミン選手は高校卒業前、ヨーロッパ各国のクラブチームをまわってテストを受け、その後、ヴォルティスでテストを受けてプロになることを決めた。
「大学に進まずにプロになったのは、高校時代の恩師・イ キュジュン先生の勧めがあったからです。ジョンピルも高校卒業後にプロになったのですが、長薫高校からプロになった選手は自分とジョンピル、スウェーデン2部リーグで活躍するムン ソンミン選手しかいません。そもそも一緒にサッカーを続けている同級生が非常に少ないので、小学校から一緒にサッカーをやってきた彼と一緒にピッチに立っているのは不思議な感じがしましたし、とてもうれしかったです」

キム ジョンミン

キム ジョンミン

キム ジョンミン

長くプレーを続けられる
選手でいたい

利き足の右足だけでなく、左足でも強烈なシュートを打てるのが、ジョンミン選手の強さだ。“利き足である右足のひざが痛かった時に、左足でたくさんシュートの練習をしていたら、どちらの足も得意になったんです”と笑う。
「最近、練習後に残ってシュート練習をしていて、津田選手に『インステップで打たないように。インサイドでキーパーを見ながら浮かさないで打ったほうがいい』とアドバイスをもらったので、特にそこに神経を使っています。これからはドリブルなどを磨いて、シュート以外も自信をつけていきたい。特に今年は、動きながらボールを受ける動作をストロングポイントにしていきたいと思っているんです。相手の守備に『こいつ、いったいどこに動くんだ?』と思わせるような動き出しを見せていきたいですね」

今、一番の目標は、ヴォルティスでコンスタントに試合に出場すること。そしてJ1昇格だ。
「自分はフォワードなので、やはり勝つためにより多くのゴールを決めたい。そして、ゴール前の動き出しや守備なども磨いていきたいです。その上でチームで一丸となって戦い、勝つことを目標にしていけば、おのずと昇格は見えてくると思います。その次の目標は、今年10月に開催される東アジア競技大会です。参加選手がU-23なので、そのメンバーに入りたいです。そして、大きな目標は、常により高いレベルでサッカーを続けていくことです。自分は幼い頃からあまりサッカーの試合を見てこなかったので、具体的にこういう選手になりたいという目標は特にありませんが、ファン・ペルシ選手(マンチェスター・ユナイテッドFC)やズラタン・イブラヒモビッチ選手(パリ・サンジェルマンFC)のような選手が好きなんです。一瞬だけ光って終わるのではなく、長くプレーを続けていける、息の長い選手でいたいです」

キム ジョンミン ~勝つためにより多くのゴールを決めたい

キム ジョンミン

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