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Vol.56 佐々木 一輝

大学で意識したプロという
選択

徳島県徳島市出身の佐々木選手は、小学校1年生の時に地元の少年団・北井上SCでサッカーを始めた。中学生になってからは、Jリーガーを輩出している徳島FCリベリモでプレーし、卒業後は徳島商業高校に進む。
「高校の時は、将来、絶対にプロになりたいと思っていたわけではありませんでした。むしろ高校のサッカーが終わった時点では、ある部分では完全燃焼したという思いが強かっただけに、大学ではサッカーを続けるか迷いもありました。でも、京都産業大学から推薦入学の話をいただき、誘っていただけるのならやってみようと。ただ、大学のサッカー部は関西学生サッカー連盟で1年生の時は1部だったものの、2・3生の時は2部リーグで過ごしましたので、プロを目指すにはある意味では厳しい環境でした。自分でも入学した時はまだそういう気持ちは持っていなかったですね」

大学では、1年生の時にU-18日本代表としてUAE遠征選抜メンバー、仙台カップ国際ユースサッカー大会メンバーに選出される。さらに3年生の時には、7得点3アシストと活躍し、1部リーグ昇格に貢献した。
「大学3年の時、初めてJリーグのチームの練習に参加させてもらって、サッカーに対する意識も変わったんです。その頃から真剣にプロになりたいと考えるようになりました。そして、4年生の時にヴォルティスの前監督の美濃部さんが大学のサッカー部のヘッドコーチに就任したんです。監督にいろいろと指導をしていただいて影響を受けましたし、プロになりたいと思っていた自分の背中も押してもらった気がします。一番最初に声をかけてもらったチームがヴォルティスで、徳島県人だという点でも期待してもらっていると感じたので、ぜひ加入したいと思いました」

佐々木 一輝

佐々木 一輝

佐々木 一輝

今後につながったJリーグ
デビュー戦

加入後に参加した1次キャンプ、2次キャンプでは、練習試合に出場する機会も多く、大きな手応えを感じたという。
「この調子なら開幕でも行けるかもしれないと思った矢先に、左ヒラメ筋の肉離れで練習ができなくなってしまったんです。ケガが治ってからも調子が戻らず、その間に練習を続けてきたメンバーに遅れをとってしまうという焦りもありました。しかも、3月にまた同じケガをしてしまったんです。最初のケガは加入したばかりで重大性を理解していない面も多少ありましたが、さすがに2回目はプロとして自己管理をしなければいけないという危機感が強くなりました。一緒にリハビリをしている先輩たちを見て、その姿勢に刺激を受けたことも大きいですね。初めはせっかくもらった1つ目のチャンスを逃してしまったことに対する後悔や悔しさばかりでしたが、いつまでも引きずっていても仕方ない、それよりも早く復帰しようと気持ちを切り替えてリハビリをするようになりました」

5月26日の第16節東京ヴェルディ戦で、初めてサブメンバーに名を連ねたものの、その後も出場の機会がない試合、サブメンバーに入れない試合が続く。そして、7月7日の第23節キラヴァンツ北九州戦で、後半のアディショナルタイムに途中出場。これがJリーグ初出場となった。
「ずっとチャンスがまわってこない試合が続いていましたが、北九州戦では、今日はきっとチャンスがあるという確信があり、準備もできていたんです。おかげで全く緊張することなく、すんなり試合に入ることができました。結局、ボールに触ることはできませんでしたが、こんなふうに準備をしっかりしていれば、途中からでもスムーズに試合に入れるということが分かり、今後につながる試合になりました」

さらにチームが4連勝する中で、上位チームと対戦した7月27日の第26節ジェフユナイテッド千葉戦でも、後半のアディショナルタイムに途中出場。そして、8月4日の第27節FC岐阜戦では、後半78分から途中出場した。
「千葉戦も緊張はしませんでした。スタジアムの雰囲気がとてもよくて、こういう雰囲気の中でもっとプレーしてみたいと強く感じました。もちろん、そのためには自分がもっと長い時間、信頼して任せてもらえる選手にならなくてはいけない、ということも分かっています。今は練習中もパスミスやイージーミスがありますし、動き出しなどを注意されるのはキャンプの時からです。同じことを言われているうちはスタメンには選ばれないと思うし、改善するためには練習しかない。でも、手応えは感じているので、焦らず、自分のペースで成長していきたいです」

佐々木 一輝

佐々木 一輝

佐々木 一輝

初めてのポジションで
広がるチャンス

佐々木選手のストロングポイントは、なんといってもスピードだ。だが、ヴォルティスではキャンプからサイドハーフを務め、初めて経験するサイドバックにも挑戦している。攻撃はもちろん守備をする機会も増えている。
「スピードは小さい頃からの自分の武器で、ドリブルで切り込んでシュートに持っていくのが一番得意だし、自分の仕事だという気持ちは変わりません。それは貫いていきたいと思っていますが、プロの世界ではそれだけでは通用しないということが、キャンプの時の練習試合などでよく分かったんです。サイドバックは初めて経験するポジションで、ディフェンスもやったことがなかったので、初めは戸惑いました。でも、やってみたら攻撃の時は上がっていけるし、前を向いてプレーできるから余裕もあるんだなと。最近は中でボールを受けられるようにもなったし、サッカーに対して今までと違う見方ができるようになり、勉強になっています。今のヴォルティスは複数のポジションを任される選手が多いですし、フォワード以外の選手も得点することが多いチームになっているので、自分もサイドハーフやサイドバックを任されることでチャンスが広がっていくと前向きに捉えています」

今年加入した他の新卒選手はもちろん、大学時代にユース代表で一緒にプレーした大﨑淳矢選手、川浪吾郎選手の活躍も刺激になっていると語る。
「久しぶりに一緒にやってみて、淳矢も吾郎も変わっていないなと思いました。でも、彼らはすでに3~4年プロでやっているだけに、ゲーム勘もいいし、1つ年下だけれど尊敬すべき点がたくさんあります。もちろん負けたくないという気持ちもあるので、日々、彼らに闘争心を煽られています」

これから先、チームはJ1昇格を目指し、連戦の続く夏を乗り越え、勝ち点を積み上げていかなければいけない。
「今、チームは好調なので、自分もスタメンはもちろん、途中出場でもいいので試合に出て、上位に食い込むことに貢献したいです。もちろん、今は試合に出られていないから、その悔しさを糧にしていきたい。自分にもきっとチャンスは絶対にあるはずだから、今はそれに備えてトレーニングするのみです。そして、(入団の時に)子どもたちに夢を与えられる選手になりたいと言いましたが、やはり自分が試合に出ないとそういうことは言えないと思うので、徳島出身の選手として今はとにかく試合に出てチームのために活躍することが大事だと思っていますし、一生懸命頑張りたいと思います。」

佐々木 一輝 ~ スピードは自分の武器。ずっと活かしていきたい。

佐々木 一輝

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