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Vol.57 濱田 武

勝つためには、
より多く走るしかない

7月にJ2リーグ戦で最も活躍した選手として、J's GOAL編集部による月間MIP(Most Impressive Player)に選出された濱田選手。ヴォルティスの選手としては賞が創設されて以来初の栄冠だ。
「うれしいですけれど、特別なことは何もしていません。今は僕と晃誠(柴崎選手)が攻撃の起点になるので、チームがうまく動けるように考えながら、ボールを受けたりさばいたりしているだけです。2人とも守備よりは攻撃が好きなタイプで、ボールを受けたらどんどん上がって行くところがチームにもプラスに影響しているのかなと思います」

今シーズン、開幕戦にはスタメン出場したものの、3~4月はサブメンバーにまわることも多かった。だが5月からスタメンに定着し、5月3日の第12節ガイナーレ鳥取戦からは先発出場を続けている。
本人は自身の活躍について控えめにしか語らないが、中盤での安定感のある守備だけでなく、7月7日の第23節ギラヴァンツ北九州戦では後半13分に豪快なミドルシュートを決めるなど、7月から無敗を続けるチームへの貢献度は高い。
「自分なりにできることをやっているだけですが、強いて言えば立ち止まることを少なくしようと意識しています。とにかく動いていれば、何かしらチャンスにつながるはずですから」

7月14日の第24節愛媛FC戦では、1-0とリードしていたアディショナルタイムにもかかわらず、疲れを感じさせない走りを見せてゴール前でパスを出し、ドウグラス選手のゴールをアシストした。
「愛媛戦は相手が同点を狙って来る中、2点目を取れれば勝ちを決定づけられて気持ちよく終われる試合で、自分のパスをドウグラスがうまく決めてくれました。もともと、攻撃が好きだから、そこにこだわりたいという気持ちはありますね。それに自分がボールを持った時に、パスを出すところがなくて、もどかしいことって結構あるんです。だから、ボールを持った選手に対しては、できる限りコースを作ろうと思っています。自分が走ることでコースが作れるだけでなく、新たにスペースも空くし、状況も変わりますから。セレッソ大阪時代はそれほど走っていませんでしたが、期限付移籍したサガン鳥栖やヴォルティスではよく走るようになりましたね。うまいチームに勝つには、より多く走るしかないと思っています」

濱田 武

子どもの頃から
アシストの方が好きだった

大阪府出身の濱田選手は5歳でサッカーを始め、小学校卒業後はセレッソ大阪ジュニアユースに加入。中学卒業と同時にセレッソ大阪ユースに昇格した。
「自分が入っていた小学校のサッカーチームから、毎年、セレッソ大阪のセレクションに何人か参加していたんです。それで友達と5人ぐらいで受けに行きました。ユースでは自分がチームを引っ張っていくとか、中心選手だという意識は全くなかったです。本当に普通の選手でした」

小学校の時のポジションはフォワードだったが、セレッソ大阪ユースに加入してからは、現在と同じ中盤のポジションをずっと任されてきた。
「子どもの頃から点を取るよりも、パスを出したり、アシストの方が好きでした。ユースの頃から、将来はプロになりたいと思っていました。プロになってどうしたいという具体的なイメージがあったというよりも、一番好きなサッカーで生活していければいいな、という気持ちだったと思います。当時、セレッソ大阪のユースからトップチームに昇格後、試合に出ている選手は少なかったのですが、それでもセレッソで育ってきた自分にはトップチームに昇格するのがごく自然な流れでした」

そして、高校卒業後、2001年にセレッソ大阪でプロサッカー選手としてのスタートを切る。プロ1年目はリーグ戦への出場はなかったが、天皇杯で5試合に出場。チームは翌シーズンにJ2への降格が決まっていたが、決勝に進んだ。
「まさか自分が天皇杯に出られるとは思っていなかったのですが、調子がよかった時に使ってもらって、気づいたら決勝戦にまで出させてもらったという感じでした。決勝戦の舞台は国立競技場で、とても雰囲気がよかったです。延長の末、破れてしまいましたが、ああやって元旦にサッカーができる機会なんてないですから、うれしかったですね」

プロ2年目はリーグ戦14試合、天皇杯1試合に出場。そしてチームがJ1に昇格した2003年にはリーグ戦13試合の他、ナビスコカップや天皇杯に出場する。さらに2004年にはリーグ戦の出場試合数を伸ばし、8月14日のFC東京戦ではJリーグ初得点を挙げた。また、2003年、2004年にはU-22、U-23日本代表にも選出されている。
「海外で試合に出たことで、自信がつきましたね。その後、2005年のシーズン途中にサガン鳥栖に期限付移籍して、2007年にセレッソ大阪に戻りました」

2007年、セレッソ大阪はJ2に降格していたが、濱田選手は自身最多となる36試合に出場。セレッソ大阪では2009年まで3年間プレーし、2010年にヴォルティスに完全移籍した。

濱田 武

濱田 武

濱田 武

このまま勝ち進めるほど、
甘くはない

今年、プロになってから13年目。8月25日の第31節京都サンガF.C.戦で、Jリーグ通算(J1+J2リーグ戦)300試合出場を達成したばかりだが、そのことについても“特別なことではない”とばかりに淡々としている。
「ケガをせずに続けてこられたことがよかったと思います。それ以外は、特に何もないですよ。印象に残っている試合というのも特にないです」

京都サンガF.C.戦は惜しくも勝ちを逃したが、7月に続き、8月もチームは無敗記録を更新した。
「負けていないのは失点が少なく、先制点を挙げられていることと、試合の入りがいいことが要因かなと。ここ何試合か失点がないのは、前線の選手もしっかり守備をやっているから。一人ひとりの選手がハードワークをして頑張っている結果が、失点がゼロや1(の試合)につながっていると思います。自分自身は今までとやっているプレーは変わりませんし、監督からはずっと『ボールがない時にいかに準備するかが大事だ』と言われてきました。昔はボールが来てから動くことが多かったのですが、それを常に頭に置いてプレーするようになったおかげで、セカンドボールを考えながらポジションをとれるようになりました。開幕した頃に比べると、自分たちがボールを持っている時間が長くなり、うまくボールをまわせるようになってきたという実感があります。もっと隙なくボールをまわせるようになると、さらによくなると思いますね。自分が一緒に組む相手によって何かを変えるということもあまり意識していませんが、晃誠はうまいので安心して出せることや、淳矢(大﨑選手)がいいところにポジションを取ってくれるので、ボールを読みやすくなったことも大きいです」

ヴォルティスでは、今シーズンが4シーズン目の濱田選手。最後まで昇格争いを続けながらも4位に終わった2011年シーズンを知る、数少ない選手の1人だ。
「今シーズン、最初はなかなか結果が出ませんでしたが、最近、ようやく勝てるチームになってきたと感じます。今、チームもいい状態なので、これを続けていければいいと思いますが、このまま進めるほど甘くはないと思います。実際、1-0で勝つことができた第30節のロアッソ熊本戦も、とても苦しい試合でした。やはり簡単に勝てるゲームというのは1つもないですし、最後まで粘り強く、相手を上回っていくしかないと思います。でも、走ったり、守ったりすることがきちんとできているチームなので、自分たちは簡単にはやられないという自負はあります。自分はこれからもチームのために頑張るだけです。試合中はなかなかシュートを打つ機会がないですが、これからも積極的にゴールを狙っていきたいですね」

濱田 武 ~ 粘り強く、相手を上回っていくしかない

濱田 武

このまま勝ち進めるほど、
甘くはない

今年、プロになってから13年目。8月25日の第31節京都サンガF.C.戦で、Jリーグ通算(J1+J2リーグ戦)300試合出場を達成したばかりだが、そのことについても“特別なことではない”とばかりに淡々としている。
「ケガをせずに続けてこられたことがよかったと思います。それ以外は、特に何もないですよ。印象に残っている試合というのも特にないです」

京都サンガF.C.戦は惜しくも勝ちを逃したが、7月に続き、8月もチームは無敗記録を更新した。
「負けていないのは失点が少なく、先制点を挙げられていることと、試合の入りがいいことが要因かなと。ここ何試合か失点がないのは、前線の選手もしっかり守備をやっているから。一人ひとりの選手がハードワークをして頑張っている結果が、失点がゼロや1(の試合)につながっていると思います。自分自身は今までとやっているプレーは変わりませんし、監督からはずっと『ボールがない時にいかに準備するかが大事だ』と言われてきました。昔はボールが来てから動くことが多かったのですが、それを常に頭に置いてプレーするようになったおかげで、セカンドボールを考えながらポジションをとれるようになりました。開幕した頃に比べると、自分たちがボールを持っている時間が長くなり、うまくボールをまわせるようになってきたという実感があります。もっと隙なくボールをまわせるようになると、さらによくなると思いますね。自分が一緒に組む相手によって何かを変えるということもあまり意識していませんが、晃誠はうまいので安心して出せることや、淳矢(大﨑選手)がいいところにポジションを取ってくれるので、ボールを読みやすくなったことも大きいです」

ヴォルティスでは、今シーズンが4シーズン目の濱田選手。最後まで昇格争いを続けながらも4位に終わった2011年シーズンを知る、数少ない選手の1人だ。
「今シーズン、最初はなかなか結果が出ませんでしたが、最近、ようやく勝てるチームになってきたと感じます。今、チームもいい状態なので、これを続けていければいいと思いますが、このまま進めるほど甘くはないと思います。実際、1-0で勝つことができた第30節のロアッソ熊本戦も、とても苦しい試合でした。やはり簡単に勝てるゲームというのは1つもないですし、最後まで粘り強く、相手を上回っていくしかないと思います。でも、走ったり、守ったりすることがきちんとできているチームなので、自分たちは簡単にはやられないという自負はあります。自分はこれからもチームのために頑張るだけです。試合中はなかなかシュートを打つ機会がないですが、これからも積極的にゴールを狙っていきたいですね」

濱田 武 ~ 粘り強く、相手を上回っていくしかない

濱田 武

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