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Vol.65 衛藤 裕

試合に出られる幸せを
実感した昨シーズン

衛藤選手は福岡大学を卒業後、2006シーズンにサガン鳥栖に加入。当時はJ2リーグに所属していたサガン鳥栖で主力選手として活躍していたが、J1昇格を掲げるヴォルティスでチャレンジしたいと移籍を決意。2011シーズンに加入後は持ち味のドリブルを活かし、中盤で攻撃を仕掛けるプレーで得点に貢献してきた。

だが、2012シーズン途中から悩まされ続けていた左足底筋膜炎が悪化し、2013シーズンはリハビリからシーズンイン。どうにか開幕後に復帰したものの無理をして試合に出場したことで、2013年5月にさらに悪化。リハビリを続けていたが、7月の練習で再発し、シーズン終了までの離脱を余儀なくされた。 「完全に治らない状態で慢性的な痛みもある中、休みたくないという気持ちから無理をしてプレーを続けていた結果、強く損傷して部分断裂という大きなケガになってしまったんです。そこからは焦らず、2014シーズンに向けてしっかり治そうと気持ちを切り替えました」

練習を離れた7月からは、チームが無敗記録を更新し、昇格争いを続けた時期となる。
「ただ練習や試合を見ているだけの日々は、自分にとってまさしく地獄でした。サッカーができず、昇格争いを続けるチームに何も貢献できない自分に対する歯がゆさばかりでしたね。でも、シーズン前半は調子が悪かったチームが昇格争いをしていることに対しては、純粋に昇格して欲しい、とにかくプレーオフ圏内に入って欲しいという気持ちしかなかったです。チームが勝ってくれるのはうれしかったですが、やはり試合を見ている時はモヤモヤした気持ちが消えることはなかったですね」

5カ月近い長いリハビリを経て、プレーオフ直前の2013年11月、ようやく練習に参加することができた。
「久しぶりにチームに合流した時は“自己紹介を”と振られたりして、かなりいじられました(笑)。リハビリを始めてからは、ずっと1人で走ったり、プールに行ったりで、ボールを蹴り始めてからもトレーナーの方とマンツーマンだったんです。長い間、地道なトレーニングを黙々とこなしてきたので、合流できた時は本当に楽しかったです。わずか1週間でしたが、シーズン終了前に合流できたことが、今シーズンにつながっていると思いますし、チームに感謝しています。プレーができて、試合に出られることが何よりも幸せなことだと改めて実感できた1年でした」

衛藤 裕 試合に出られる幸せを実感した昨シーズン

J1でも仕掛けていくプレーをみせていきたい

以前は歩くだけでも痛みがあったというが、今は順調に回復。1月に高知で行われた1次キャンプ、2月に宮崎で行われた2次キャンプにも1度も離脱することなく参加した。
「1次キャンプ、2次キャンプをケガなく乗り切ることが目標でしたが、スタートから離脱することもなく、順調に終えることができました。ただ、1次キャンプの終盤から練習試合が入り、久しぶりに試合に復帰したのですが、長い間、試合に出ていなかっただけに実戦の体力が戻っていないと痛感しました。特に2次キャンプの川崎フロンターレとの練習試合では、ピッチの往復が多く、ハードでしたね。でも、これをくり返すことで感覚が戻ってくると思うので、体と相談しながら焦らず、開幕までに実戦に臨めるパフォーマンスと体力、ゲーム勘を取り戻していきたいです」

川崎フロンターレとの練習試合では、衛藤選手の持ち味である中盤で攻撃を仕掛けていくプレーもみられた。
「中盤で仕掛けて、そこからファールをもらったりしていくのが自分のプレースタイル。高校生の時からドリブルで崩して抜いたり、真逆を取るというプレーができる時は、自分の体のキレがいい時なんです。練習試合では2~3回と少なかったですが、格上のチーム相手にできたことが自信になりましたし、それが“今度はもう少し仕掛けてみよう”という感覚につながっていくのでうれしかったです。多少無理してでもそういうプレーをしていかないと、パスだけで相手を崩すことはやはり難しいし、それはカテゴリーが上ればなおさらです。自分が仕掛けていく機会が多かった2012シーズンと同じポジションでやっているので、今後もそういうプレーは続けていきたい。積極的にチャレンジして、J1でも自分のよさを出していきたいですね」

衛藤 裕 J1でも仕掛けていくプレーをみせていきたい

厳しい評価を覆してJ1に定着していく

衛藤選手にとってJ1リーグでのプレーは初めての経験となる。前チームのサガン鳥栖では2006シーズンに4位、2009シーズンに5位に留まり、ヴォルティスでも2011シーズンに昇格を目前で逃している。
「30歳を過ぎて初めてのJ1です。年齢的にはベテランと呼ばれる域になりましたが、初めてなので積極的にチャレンジしていきたい。ヴォルティスは4位でリーグ戦を終えているわけだから、今、厳しい評価をされるのも当然のことだと思っています。それを覆して残留し、J1に定着することができれば、チームにとって大きな経験になると思いますし、サッカー選手としての成長にもつながるはずです。そのためにも引いてしまうのではなく、臆することなく強気で戦っていきたいですね」

開幕戦の相手は古巣で、5シーズンプレーしたサガン鳥栖だ。
「サガン鳥栖では“足先だけでは勝てない”という考え方で、ハードワークを徹底してやっていました。それが昇格してから3シーズン、残留できている理由の1つだと思うし、そこは見習いたいところですね。メンバーは自分がいた頃と大きくは変わっていないので、知っている選手ばかり。当時ずっと一緒に練習していた選手たちが、今、J1で活躍していることは自分にとっても自信になります。ヴォルティスだってJ1でやれないわけがないと。自信を持ってチャレンジし、まずは1年残留して、より強くなっていきたい。目標通り、ケガをせずにキャンプを終えることができたので、次は開幕戦に出ることを目指しています。ただ、例え軽い肉離れであってもケガをしてしまったら元の状態に戻ってしまい、またプレーできなくなってしまう可能性があります。開幕から出たいという気持ちは強いですが、体と相談しながら焦らずに開幕からの出場を狙っていきたいですね」

衛藤 裕 厳しい評価を覆してJ1に定着していく

衛藤 裕 厳しい評価を覆してJ1に定着していく

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