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Vol.68 小暮 大器

迷いなく
移籍することを選んだ

小暮選手は、幼稚園生の時に茨城県のパルチーダFC竜ヶ崎でサッカーを始めた。高校入学と同時にセレッソ大阪U-18に加入。高校2年生の時からトップチームのキャンプにも参加しており、その経験がプロ選手として進んでいく上でとても大きかったという。

高校卒業と同時にトップチームに昇格し、プロ選手として1年目となる2013シーズンはリーグ戦3試合、天皇杯2試合に出場。出場試合数こそ多くないが、サブメンバーとして名を連ねることは多かった。また、2013年にはU-19、U-20日本代表にも選出されている。
だが、プロ2年目となる今シーズンに早くも期限付き移籍することになった。
「セレッソでは加入1年で期限付きする選手も少なくなかったので、驚きはなかったです。ヴォルティスから移籍の話をいただいた時、試合に出るチャンスが多くなるのなら、と迷いなく移籍することを選びました。もちろん、4年間自分を育ててくれたセレッソには感謝の気持ちもあり、試合に出て活躍することで恩返ししたいという気持ちがなかったわけではありません。でも、今の自分にとっては、ヴォルティスで学べること、得られるものがたくさんあるだろうと。実際、ヴォルティスはサッカーに集中できる環境が整っているので、来てよかったと思っていますし、これからもっと成長していけると感じています」

ユース時代からポジションはサイドバックを任されることが多く、抜群の運動量とスピードを活かした縦への突破や裏への抜け出し、精度の高いクロスを得意としてきた。ヴォルティスでもサイドバックのポジションを任されており、攻撃面でも期待が高い。

1月15日の入団会見では19歳らしく初々しさを見せたものの、翌日からの練習では開幕から試合に出ることを目標に日々臨んできた。
「1次キャンプ、2次キャンプで練習試合に出場したことで、今年は開幕から、自分も試合に出るんだという実感が湧いてきたんです。セレッソでは続けて試合に出るという経験をしてこなかったので、責任の大きさを初めて感じながら開幕を迎えました」

自分の足りないところに
気づけたセレッソ戦

そうして迎えた開幕戦では目標通りスタメンに名を連ね、ホーム開幕戦となった第2節セレッソ大阪戦でもスタメンに選ばれた。
「スタメンなんてプロになってから初めての経験ですから、やってやろうという気持ちでした。でも、どちらの試合でもいいプレーができなかっただけでなく、セレッソ戦では自分の守備のミスで失点をしてしまいました。しかも、そこから気持ちを立て直すことができなかったんです。そういう面でも自分はまだまだだなと。試合に出たことで、自分の足りないところに気づけたのはよかったと思います」

そして、スタメンで2試合出場をしていたにも関わらず、第3節横浜F・マリノス戦ではサブメンバーからも外れることになり、プロの厳しさを痛感する。
「あの時はすごく落ち込みましたね。でも、自分にとっていい経験だったと思います。まず、監督やチームメイトの信頼を勝ち取るのがどれほど大変なことか気づかされました。ここから気持ちを切り替えることが大事だと思ったし、チームも負けが続いている状況だったので、前を向いて頑張っていこうと思ったんです。その後の練習では、監督や長島ヘッドコーチがステップなど、自分に足りない部分を丁寧に指導してくれました。本当に感謝しています」

その後、第4節柏レイソル戦からはサブメンバーには再び選ばれるようになった。
「第5節のサンフレッチェ広島戦からは途中出場をさせてもらえるようになり、プレー時間も増えていったので、また自信を持てるようになっていきました。自分でもミスを恐れず前に行こうと意識するようになり、少しずつプレーも変わっていったんです」

そんな中、出場したのが、4月16日に行われたJリーグヤマザキナビスコカップ第3節浦和レッズ戦だった。

うれしかったプロ初ゴール

アウェイの埼玉スタジアム2002で行われたJリーグヤマザキナビスコカップ第3節浦和レッズ戦。第1節アルビレックス新潟戦に1-3で破れ、リーグ戦も開幕から連敗している中で迎えた試合だったが、チームの士気は非常に高かったと振り返る。
「みんなが“勝ってやろう”という気持ちになっていました。相手のチームを気にするというより、とにかく勝とう、この雰囲気のスタジアムで勝利を手にしようという雰囲気でいっぱいでしたね」

小暮選手は第1節アルビレックス新潟戦に続き、スタメン出場。1-2とリードされた後半61分、相手ミスからボールを奪った宮崎選手のパスを受け、ドリブルで独走してゴールを決めた。これが記念すべきプロ初ゴールとなった。
「あの瞬間は素直にうれしかったです。出場機会を求めてヴォルティスに移籍して、今シーズンはサイドバックとして得点することやアシストをしっかりやろうという目標を持ってやってきたので、それを達成することができました。それだけに勝つことができなかったことが残念です。特に後半85分の3失点目、アディショナルタイムの4失点目と、ラスト5分で2失点してしまったことが本当に悔やまれます」

この浦和レッズ戦では、ラストの5分間が今までにないぐらい長く感じたという。
「最後は足が止まってしまって、相手に自由なプレーをさせてしまいました。我慢強く90分間を戦い抜くこともこれからの課題だと感じています。今は守備の時間が長い上に、厳しい場面での守備が多くなっています。ハイボールへの対応も多く、ヘディングでも何でもこなさなければいけないので、もっと守備の幅を広げるためにいろいろなことを教わっているところです」

その後、浦和レッズ戦での活躍もあり、再びリーグ戦ではスタメン出場のチャンスを得ているが、プレーに納得はしていない。
「新潟戦もガンバ大阪戦もそうですが、自分が失点に絡んでしまっているので、そこをいつも課題としてトレーニングしているのですが、まだ難しかったですし、悔しいです。チャンスを無駄にというか、与えられたチャンスを掴むことができていないので、悔しい部分はありますが、意識してトレーニングをして前向きに取り組んでいきたいです」

チームはアウェイで行われた第10節ヴァンフォーレ甲府戦で、ようやくJ1初勝利をあげた。だが、まだ厳しい状況が続いていることに変わりはない。
「勝ちを積み重ねていくことを目標にして頑張っていきたい。サイドバックとして攻撃と守備の両方でチームに貢献したいですね」

小暮 大器 “失うものは何もない”という気持ちでやるしかない

小暮 大器 厳しい評価を覆してJ1に定着していく

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