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Vol.79 木村 祐志

走ることを大事にして
得点に絡んでいきたい

ヴォルティスに加入後、1次キャンプをよい形で終え、2次キャンプ最後の練習試合となったロアッソ熊本との試合では手応えをつかんだと語る。
「残念ながら開幕戦には出られませんでしたが、もし、自分がメンバーに入っていたらどうするだろうと考えながら試合を見ていました。リーグ戦では練習試合のようにボールがスムーズに流れなくなった印象を受けましたが、個々の能力を考えたらすぐに改善できるだろうと。この先、スタメンに選ばれた時はアグレッシブにやっていこうと思っていたところ、第2節で後半87分に出場することができ、さらに第3節ではスタメンに入ることができました」

初のスタメン出場となった第3節FC岐阜戦では、後半82分に本人にとっても、チームにとっても初となるゴールを決めた。このゴールにより、1年4カ月ぶりとなるホームでの勝利にも貢献。空いたスペースに走り出し、エステバン選手のクロスを受けてのゴールだったが、試合終了間近にもかかわらず、疲れを感じさせない走りが印象的だった。
「あの時はベレス(エステバン選手)がいい感じでボールを受けたので、真ん中に走ったんです。ああいう流動性のある場面を増やしていきたいですし、そうすればもっと点は取れると思います。自分はそんなに足が速いわけではないので “走れるように”というのはユースの頃から言われていました。今になってそれが生きているのかなと思いますし、走ることは苦にならないですね。攻撃ではボールを受けに行くのが好きで、どちらのサイドにもよく走っていると思います。攻撃であればスペースに抜け出して味方をフリーにさせるという動きも大事になりますし、守備であれば前線からプレスしていけば後方の選手たちも楽になると思うので、走ることは大事にしていますね」

その後の第5節ロアッソ熊本戦は2−2の引き分けとなったが、1点目は木村選手のコーナーキック、2点目はクロスからの得点となり、2アシストの活躍をみせた。
「第3節に勝てたことで流れもよくなると思っていましたが、第4節から第7節まで苦戦してしまいました。第6節のファジアーノ岡山戦もいい流れで攻められたので、得点につなげられなかったのが残念です。でも、第8節の京都サンガF.C.戦は一人ひとりが相手チーム以上に走って、アグレッシブな姿勢をみせられたと思いますし、そういう状況で点も取れて勝てたことは大きかったです。ただ、京都戦もその後の横浜FC戦でも1点ずつしか得点できていません。自分は前線のポジションをやっているのでどんどん得点に絡んでいきたいと思っています」

練習を通して影響を受けた
川崎フロンターレでの11年間

東京都港区出身。中学生の時、川崎フロンターレのユースチームである川崎フロンターレU-15に加入した。
「川崎フロンターレは家から練習に通いやすかったこともあり、小学校の時のチームメイトと一緒にU-15の試験を受けたんです。ちょうどフロンターレが育成に力を入れ始めた時期で、ユースでは大木武監督(元・日本代表コーチ、現・バニーズ京都SCスーパーアドバイザー)などに指導していただくことができました。ただ、自分が住んでいる地域はサッカーが盛んなわけではなかったこともあり、子どもの頃はサッカー選手になりたいということは漠然としか考えていませんでした。本当に考え始めたのはユースに入ってからですね」

プレースタイルはU-15の頃から変わっていないと言う。木村選手の持ち味であるフリーキックを練習し始めたのもこの頃だ。
「何か武器を持っていないとダメだなと感じたのがきっかけでした。キックには元々自信があって、フリーキックを任されることも多かったので、一生懸命練習しました。皆よりも早くグラウンドに行って練習したり、ベッカム選手の試合をテレビで見て参考にしたりしていましたね」

その後、川崎フロンターレU-18から2006年にトップチームに昇格。チームがJ1に昇格した翌年だった。
「大学進学も考えましたが、プロになりたくてもなれない人がたくさんいるのだから、チャンスがあるなら挑戦してみようと思ったんです。加入した年は2位でシーズンを終えるなど、フロンターレ加入後はチームがどんどん強くなっていきましたが、自分は公式戦にはあまり出られませんでした。でも憲剛さん(中村憲剛選手)をはじめ、同じポジションの選手と練習をする中で学ぶことが多かったです。特にジュニーニョ選手はどの選手にも「前にボールを出せ」と指示していたので、その要求に応えるためにもボールを前に出すことを強く意識するようになりました。あの時期にいい影響をたくさん受けることができたと思います」

川崎フロンターレのトップチームには5年間在籍。リーグ戦出場は7試合だったが、2011シーズンに移籍したJ2ギラヴァンツ北九州では38試合、翌2012シーズンは41試合に出場する活躍をみせる。2シーズンにわたってキャプテンも務めた。
「リーグ戦に続けて出るのは初めてでしたが、それほどプレッシャーは感じませんでした。やはりフロンターレでレベルの高い選手たちと5年間、毎日練習してきたことが生きたのだと思います。試合に出るようになってフロンターレでやりたいと思っていたことができるようになったことや、北九州のサッカーがフロンターレ同様、ボールをつなぐサッカーだったことも大きいですね。フロンターレで、しっかり前を向いてボールを止めて蹴るということを徹底して言われてきたので、それが落ち着いてできるようになったことも結果につながったと思います」

何よりもサッカーを
楽しむことが大事

その後、2013、2014シーズンは大分トリニータでプレーしてきた木村選手。現在、ヴォルティスではこれまでに経験してきたボランチだけでなく、サイドをはじめ、様々なポジションを任されている。
「自分が得点しなければいけないと思っていますし、仲間に点を取らせることも仕事だと思っています。その可能性を広げるためにも前線でボールキープしたり、前につないだりということをしっかりやりつつゴールを狙っていきたい。自分は生かされるよりも相手を生かすタイプだと思っています。今のところはまわりをしっかり見て他の選手を生かせていると思いますし、もっと前に行けると思うので、たくさんチャンスをつくっていきたいですね」

今シーズンも第10節までが終了し、現在、2勝4敗4引き分けとなっている。
「今は勝ちが少ないですが、セットプレーやミスからの失点もあり、改善は必ずできると思うので、そこまで心配していません。それぞれが自分本来のプレーをすることができれば勝ちを増やしていけると思いますし、自分ももっと自分らしさを出せれば、チームの勝利に貢献できると思っています。何よりもサッカーを楽しむことが大事だと思っているので、真剣に、そして楽しみながらやっていきたい。負けていると楽しむという感じではなくなってしまいますが、勝ちを増やしていければ自信につながり、ふだん以上のプレーもできるようになっていくので、ひたむきに、がむしゃらに、しっかり走って戦い続けていきたいです」

自分らしいプレーをすることで勝ちを増やしていく

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