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Vol.85 広瀬 陸斗

試合に出られない間も
悩むことはなかった

6月14日にホームで行われた第18節カマタマーレ讃岐戦で、後半43分にヴォルティスで初となるゴールを決めた。
「自分のポジションはサイドバックですが、守備だけでなく攻撃を惜しまずやってきて、それをまわりの選手もサポートしてくれたことが得点につながったと思います。開幕戦から試合に出させてもらう中で、自分の課題を克服することだけでなく、オーバーラップやビルドアップなど前線の選手を追い越して駆け上がれるという自分の長所を活かすことを意識してきました。讃岐戦のゴールは、ボールが来ることを信じてペナルティエリアまで走りこんでいたところ、こぼれ球が目の前に来たので後は決めるだけでしたが、自分の長所を信じてやってきてよかったです」

開幕前のキャンプから練習試合にも起用され、開幕戦から第7節水戸ホーリーホック戦までスタメン出場を果たす。
「キャンプでは自分としてもチーム全体としてもいいスタートが切れたことから、開幕後もいい結果が残せるだろうと思っていました。でも、実際は開幕から勝てない試合が続き、今となってはJ1とJ2の戦い方の違いが浸透しきれていなかったのかなと思いますし、チームとして戦う上でもっと連携が必要だったのかもしれないと感じています。気持ちの上でも、今のような勝ちに対する強い意欲を最初から出せていたら違った結果になっていたかもしれません」

第8節京都サンガF.C.戦からは途中出場が多くなるなど、最初から出場できない試合もある中でどう考えているのだろうか。
「これまで試合に出ている間も自分の長所を出そうとしすぎるあまり、守備の場面で得点されてしまうことがありました。でも、試合に出られない時期も、まわりの選手たちがこれまで通り長所を活かすことをやめなくていいんだと言ってくれました。そういうサポートがあったからこそ悩んだりすることはなかったですし、本当に感謝しています」

水戸ホーリーホックで
確立したプレースタイル

広瀬選手は埼玉県出身。中学入学時から浦和レッズの下部組織である浦和レッズジュニアユースでプレーし、高校在学時は年代別の日本代表にも選出されてきた。しかし、それでもトップチーム昇格はできなかった。
「トップチームに上がれなかったときは本当に悔しかったです。でも大学進学は全く頭にありませんでした。最初から高校を卒業したらプロでやっていくことしか考えていなかったですし、ユースの監督やコーチにもずっとそう伝えてきました。とにかくサッカーだけをやっていきたかったんです」

そして、高校卒業後は水戸ホーリーホックで、小さい頃からの夢であったプロサッカー選手としてスタートを切る。水戸ホーリーホックにはサイドバックとして加入したが、実は浦和レッズユースでのポジションはフォワードだったという。
「高校2年生の時、たまたま他の選手の代わりにサイドバックを任されたのを日本代表のスタッフが見ていたことから、サイドバックとして呼んでもらいました。サイドバックとしてのプレースタイルは水戸で試合に出て確立したものです」

水戸ホーリーホックでは新人ながら年間30試合に出場。だが、ヴォルティスに加入するために1年で退団することを決意した。
「水戸に加入してから、監督の哲さん(柱谷哲二監督)やコーチたちは前の試合でミスがあっても、ダメな時でも辛抱強く自分を使ってくれました。そのおかげで今の自分があると思っています。30試合に出場させてもらった中で得点はゼロ、アシストは3ぐらいと、あまりチームに貢献できないままチームを退団していいのか悩みましたが、それ以上にJ1でプレーしたい気持ちが強かった。ヴォルティスは1年でJ1に復帰できる力を持ったチームだと思いましたし、昇格に貢献したいという気持ちがあったので移籍を決めました」

世界で感じた
勝利への執着心

広瀬選手はこれまでU-17日本代表、U-18日本代表などに選出され、昨年10月に行われたAFC U-19選手権2014に出場するなど、海外での試合経験も豊富だ。
「日本代表の鈴木監督(鈴木政一監督)や内山監督(内山篤監督)がミスをしても“いい狙いだ”と常にモチベーションを上げてくれたおかげで、迷いなくプレーすることができました。海外の選手とは体格差こそあっても、身体能力の違いを感じることはあまりなかったですね。ただ、どんなことをしてでも勝つという執着心の違いを感じさせられることはありました。選手個人としては相手の選手の特徴を知ってうまく対応すること、チームとしては個々ではやられてしまう部分を連携してカバーしていくことが、世界で活躍するために必要だと感じたことです」

今シーズン、共にヴォルティスに加入した内田裕斗選手とは代表でもずっと一緒にプレーしてきた。
「以前からウッチー(内田選手)と代表で両サイドバックを担うという目標があって、それは今でも変わらないです。ウッチーは攻撃もできる選手なので、サイドバックだけでなく、縦の関係でもいいコンビを組めるかなと。ユースの時から一緒にプレーしているので、お互いによく分かっているのが強みですね」

今シーズンも残り3カ月となった。この先、J1昇格のために負けられない戦いが続いていく。
「サッカー選手として試合に出ることが一番大切だと思っています。でもサッカー選手としての人生は試合に出られなくても続いていくので、これからも自分の長所を活かし、課題を克服できるように日々練習していきたいです。J1昇格のためには最低でも6位以内に入らなければいけません。チームのみんなで声を出し合って、1試合でも多く勝っていきたいです。チームでは最年少となりますが、それを意識することはありませんし、一番年下だからこそ声を出してチームを盛り上げていきたいと思います」

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