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Vol.87 内田 裕斗

得点したことが自分に対する自信につながった

開幕戦にスタメンとしてフル出場し、第15節コンサドーレ札幌戦まで途中出場を含め、すべての試合に出場。本来のポジションである左サイドバックで開幕を迎えたが、その後は初めて経験するサイドハーフを任されている。
「サイドハーフとして出場した練習試合で得点をしたことで、守備だけでなく、攻撃面も評価してもらえたのかなと思います。開幕から6月下旬まではチームが勝てない状況が続き、正直なところ“こんなに勝てない、点が取れないものなのか”と思ったこともありました。それだけに新たに任された攻撃のポジションとして、自分が仕掛けることで得点のきっかけになるようなプレーをしていきたいと思ってやってきました」

初めて挑戦するポジションながら第6節ファジアーノ岡山戦、第9節横浜FC戦ではそれぞれ1得点ずつ挙げている。
「自分は若くてまだ経験も少ないですが、練習中や試合中は自分の考えを率直に言ったり、自分の信じるプレーを思いきりやらせてもらったりしています。得点できたことはそんな自分に対する自信にもつながりました。今振り返ってみると、勝てない試合が続いた時期はチームとして気持ちの面で負けていたのかなと。そういう中で大さん(斉藤選手)がみんなを集めて話し合いを重ねたりするなかで、徐々に良くなっていったと思います」

 

しかし、5月24日の第15節コンサドーレ札幌戦での肉離れが原因で、戦線離脱を余儀なくされる。
「新しいポジションを経験することで、自分として新たな課題も見つかりました。それが自分にとってはすごく大きなことで、課題に取り組むことをよい経験として活かしたいと思っていた矢先にケガをしてしまったんです」

 

長期にわたるリハビリを経て、9月13日に行われた第31節V・ファーレン長崎戦で、後半77分に途中出場し、実戦復帰を果たした。

プロ1年目、初めて感じた
自分のサッカーへの危機感

大阪府出身の内田選手は、中学時代はガンバ大阪Jrユース、高校時代はガンバ大阪ユースに所属。U-16からU-19まですべての年代別代表にも選ばれ、海外での試合も多数経験してきた。
高校卒業後はトップチームに昇格。その年、ガンバ大阪ユースからトップチームへの昇格は内田選手を含む2名だったという。しかし、ガンバ大阪での1年目のシーズンは出場機会を得られず、試合出場はナビスコカップ1試合のみとなった。
「ユースでは勝ちに対する意識は誰よりも強いと自負していましたし、周りからちやほやされていた部分もあったと思います。きっとトップチームでもスタメンがとれるだろうという自信があったんです。でも、実際は他の選手とのプレーの差を痛感させられましたし、チームの中で自分の実力が全く通用しないということを思い知らされましたね」

そして今シーズン、プロ2年目にして自ら期限付き移籍を選択した。
「このままではガンバの中だけでなく、プロサッカー選手としても通用しないと思ったんです。やはり試合に出て得られる経験も多いので、プロとしてやる以上はできればスタメン、少なくとも試合に出られるチャンスがある選手でありたいと思ったことが一番の理由です。これほど自分のサッカーに対して危機感を感じたのは人生で初めてでしたし、だからこそ移籍することでたくさん経験をして、新しい技術やサッカーの考え方を得たいと思いました。ヴォルティスで、そして将来的には世界で活躍することが、Jrユースからお世話になったガンバ大阪に対しての一番の恩返しになるのではないかと思ったので、もっと大きくなろうと移籍を決めました」

プロ生活わずか1シーズンでの期限付き移籍となったが、試合に出られない期間に得たものは大きいと語る。
「自分はガンバではずっとベンチ外でしたが、強いチームというのはサブにもいい選手が揃っていてチーム内の競争も激しい。それだけにスタメンでない選手も皆、気持ちが上を向いていて、チームがしんどい時にそういう選手たちが練習や紅白戦などでスタメンを後押しする姿をたくさん見てきました。そうやってスタメン以外の選手も含め、全員がチームのために頑張り続けるということが、苦しい時期を乗り切るために大事だと学べたことはとても大きいと思います」

新しいポジションの経験も活かし、代表入りを目指したい

ヴォルティスとガンバ大阪は2014シーズンの天皇杯や最終節で対戦経験がある。また、ヴォルティスには昨シーズンまで共にガンバ大阪に在籍していた佐藤選手や年代別の代表で一緒だった同じ年の広瀬選手など、共にプレーした選手もいる。
「2014シーズンの最終節でのヴォルティスは、どの選手も必死に戦っていることが伝わってきて、見ていてぐっと来ましたね。その後、移籍のお話をいただいたので迷わず決めたんです。佐藤選手はガンバの頃から仲が良かったので今でもよく一緒に食事に行くのですが、先輩なのに話を自分に合わせてくれたり、親身になって聞いてくれるんです。チームのメンバーを常によく見て動いてくれるなど、そういう人柄がプレーにも出ていますよね。それに前線の守備はトップレベルだと思うので、見習いたいと思っています。陸斗(広瀬選手)はずっとすごい選手だと思っていたけれど、実際に一緒のチームでやってみて、改めて試合中の視点のよさなどが勉強になりますし、練習などでマッチアップになったら絶対に抜いてやろうって燃えますね。他にもトミさん(冨田選手)やチャンさん(石井選手)などは練習後のクールダウン中にその日のプレーについて詳しく話してくれるので、なるほどと納得させられることが多く勉強になっています。本当にこのチームに来て良かったです」

これまで年代別の代表に選出されてきたのに加え、昨シーズンはJリーグ・アンダー22選抜にも選出された内田選手。最終的に狙うのは日本代表入りだ。
「ずっと“世界の左サイドバックを目指す”と公言してきました。やはり最終的にはサイドバックで勝負したいという気持ちはあります。でも、移籍して試合に出られるようになって、その経験から学ぶことが多いですし、ポジションも今はサイドハーフを任されていますが、右サイドハーフの時にマッチアップするのは左サイドバックなので、どういうプレーをすると相手選手は嫌なのかをイメージしながらプレーしています。それによって左サイドバックとしての視野も広がりますし、どちらのポジションでも大丈夫と言える自信はあります。そうやって新しいポジションという経験をさせてもらえたことなども、代表入りという目標の実現につながっていくと信じています」

復帰戦となった第31節V・ファーレン長崎戦以降、すべての試合に途中出場。まだ得点こそないが、積極的にチャンスメイクしている。
「一番の目標はスタメンに入ることですが、途中出場からでもゴールやアシストなど得点に絡みたいです。途中出場する選手にはギアを上げるという役割も求められますし、実際に昨シーズンのガンバ大阪では、優勝につながる大きな試合だった第32節の浦和レッズ戦で、後半に途中出場した選手(佐藤選手、倉田選手)が得点して勝利しています。そうやって流れが変わるのはサポーターとしても見ていて楽しいと思うんですよね。自分も見ていて楽しいサッカーをしたいですし、相手チームから恐れられる選手になりたいです。今後は残り試合を全勝できるように積極的に仕掛け続けてドリブルで抜いて、アシストもしてシュートも打ちたい。そして、最後にチームみんなで喜び合いたいです」

相手チームから恐れられる選手になりたい

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