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Vol.99 特別編 スタジアム学園祭 学生による特別インタビュー

- 今年で7年目を迎える「スタジアム学園祭」は、県内の高校生、大学生がホームゲームをプロデュースするイベント。
今回は11月6日(日)、第40節北海道コンサドーレ札幌戦で行われ、現在、参加学生たちはイベント当日に向けて準備の真っ只中だ。
そんな中、現役の大学生6人が「選手たちの学生時代やふだんの生活について聞いてみたい!」と、ヴォルティスの大卒選手に対してインタビューを行った。大学生だからこそできる自由な質問で、普段は見られない選手の一面に迫り、サッカーへの想いなどを聞いた。

インタビュー参加者 【四国大学】 宮本悠諒、森絵梨果、野中かすみ 【徳島大学】 河島郁弥、平石瑞穂、橘高久未子

大学生の時とは生活のすべてが変わりました 藤原 広太朗 選手(立命館大学卒)

大学生 まずはありきたりな質問になってしまいますが、藤原選手がサッカーを好きになったきっかけから教えてください。

藤原選手 小学生の時に友達がやっていて、自分もやってみようかなという軽い感覚で始めました。

大学生 それからサッカーを好きになって、今日までやり続けてきたのですか?

藤原選手 そうですね。小学2年生から始めて、ずっとですね。

大学生 サッカーが好きで熱心にやってきて、プロを意識した時期はいつですか?

藤原選手 大学の3年生か4年生ぐらいの時です。就職活動をするか、しないかを考える時期になって、それよりもサッカーをやり続けたいと思い始めたんです。

大学生 その時、どんな理由があって、就職活動をするよりもプロの道に進もうと決めたのですか?

藤原選手 簡単に言えば、4年生の時にキャプテンをやっていて、あまり就職活動に割く時間がなかったんです。それで就職活動と並行してサッカーをやるよりは、1年就職浪人をしようと思ったんですね。そこでサッカーだけに集中できたことが、今思えば逆に良かったと思います。

大学生 なるほど。それでプロを選ばれたんですね。サッカーが人生の多くを占めていると思いますが、藤原選手にとってサッカーとはどのようなものですか?

藤原選手 言葉で言うのは難しいですが、今は仕事になっているので“かけがえのないもの”というのは違うような気がするんです。でも、自分にとっては、切っても切り離せないものです。ずっと楽しくやってきて、やはりサッカーを一番に生活していましたし、学生の頃は常に学校よりサッカーという感じでしたね。

大学生 実際にプロになってみて、学生の頃と比べてどんな変化がありましたか?

藤原選手 私生活や食生活、すべてがガラッと変わりました。例えば普段の練習が終わってからは学生の頃のように遊んだりせず、体のケアに時間を使うようになりましたし、今は家族と過ごす時間も多いです。

大学生 日常の一つ一つが、すべてサッカーに繋がるようになったということですか?

藤原選手 まさにそんな感じですね。

大学生食生活の話が出ましたが、日頃の食事で気をつけていることはありますか?

藤原選手 まず、タンパク質を多く摂ることと、肉より魚をメインに食べることです。あとは米を玄米にする、お菓子を食べない、間食をあまり摂らないなどが気をつけていることですね。体重が増えたり減ったりしないように意識して、1年間、体を絞った状態でいられるように心がけています。

大学生料理は、やはり奥さんが作られているのですか?

藤原選手 そうですね(笑)。

大学生最近、プロスポーツ選手の世界で「ルーティーン」という言葉を聞きますが、試合前のこだわりなどはありますか?

藤原選手 ルーティーンというほどではないですが、試合前はあまり色々なことを考え過ぎないようにして、いつも同じ行動をするようにはしています。まずスタジアムに入ったら、風呂でゆっくりするんです。そして、他の選手がストレッチなどをしている中でも、ずっとロッカーで座っています。なるべくゲームに集中できるように、周りのことは考え過ぎないようにしていますね。

大学生そうやって精神を集中させているんですね。試合前に音楽を聴いたりしますか?もし、聴く曲が決まっているのなら、ぜひ教えてください。

藤原選手 どちらかというと落ち着いた感じの曲を聴いて、ゲーム本番でテンションを上げる…という感じです。AAAのライブバージョンやAK-69など、割と流行っている曲を聴くことが多いです。

大学生今、ミズノのスパイクを履かれていますが、そうしたものなどにもこだわりはありますか?

藤原選手 高校生の時からずっとミズノを履いていて、自分の足に合っているなと。僕自身、合う・合わないがハッキリしているタイプなので、ずっと履いています。

大学生では、スタジアム学園祭にちなんで、ご自身の学園祭の思い出はありますか?また11月6日の北海道コンサドーレ札幌戦がイベントの実施日となりますが、試合に対する想いやファン・サポーターに向けて一言お願いします。

藤原選手 高校生の時は学校の部活に入っていなかったこともあり、あまり文化祭に縁がなかったんです。大学生の時も試合があったりして学園祭を楽しんでこなかったので、残念ながらあまり思い出がないですね。試合についてはホームゲームですし、しっかり勝点を積み重ねていきたいです。なるべく多くのサポーターの方に来ていただけるように、1プレー1プレー気持ちを込めることが大事だと思っています。

サッカーは自分にとって成長するための場 岩尾 憲 選手(日本体育大学卒)

大学生 まず、サッカーを始めたきっかけを教えてください。

岩尾選手 3歳上の兄がサッカーをやっていて、僕はそれについていくような感じでした。常にボールが目の前に転がっているような家庭で育ちました。

大学生 小学生の頃は、どこのポジションだったのですか?プロになろうと思ったのはいつ頃でしたか?

岩尾選手 小学校の頃から今と同じミッドフィルダーをやっていました。元々、体育の先生になりたかったので、サッカーをしながら勉強もするという生活でした。だから、正直、プロになるというビジョンは描けていませんでしたが、大学4年生の頃に対戦相手の視察に来ていたスカウトの方が、自分のプレーに目を留めてくださったことがきっかけとなりました。

大学生 それでは大学時代には部活より、勉強のほうに専念されていたのですね。

岩尾選手 いや、そうでもないです。やっぱりサッカーが好きなので(笑)。体育の先生にはなりたかったですけど、部活を一生懸命にやっていれば何かいいことがあるかなと思っていました。あまり二兎は追っていなかったです(笑)。

大学生 ここまでお話を聞いてきて、岩尾選手は子どもの頃からサッカーがすべてだったという印象を受けました。岩尾選手にとってサッカーとは一体どういうものでしょうか?

岩尾選手 僕の主観でしかありませんが、サッカーは「人を育てる」という印象があります。他のスポーツもそうですけれど、人間は1人では成長できないと思います。先輩や同期の仲間、後輩などがいる中で自分の立場がどんどん入れ替わっていくことによって、どうしたら自分が成長させてもらえるかを学ぶことができました。サッカーは人間形成の場であると思っています。

大学生 「人を育てる」とおっしゃいましたが、毎回の練習や試合に向けて、自分を高めるために何か課題を与える、というようなことはしていますか?

岩尾選手 いや、練習や試合の前にはそういうことは考えていないです。でも、アマチュアと違ってプロという立場である以上、お金を払って試合を見に来てくださっているということは常に意識しています。試合の勝敗は選手だけにかかっているわけではないですが、「その勝敗を分けるようなプレーをする責任が選手にはある」と、試合前に1人でボソッと言ったりしています(笑)。

大学生 アマチュアとは違うとおっしゃられましたが、大学生からプロになってプレーや心構えなど、変化した部分はありましたか?

岩尾選手 まず、武器を持っている人しかプロへの狭い入口をくぐり抜けられません。そうやって毎年、何十人、何百人という選手がプロの世界に入ってくる中で、自分が生き残っていくのはすごく大変なことだなと実感しています。僕がプロになった時から4年目まで指導してくださった湘南ベルマーレの曺 貴裁(チョウ・キジェ)監督が、「現状維持は低下だ」といつもおっしゃっていました。この辺でいいやと思っていても、気が付いたらどんどん追い抜かれているということがあるから、常に危機感を持ってやるようにと。その教えは常に守るようにしています。

大学生 プロとして生き残っていくためには、やはり体作りも大事になると思いますが、日頃の食生活で気を付けていることはありますか?

岩尾選手 サッカー選手には食事面に気を使う方がたくさんいると思いますが、僕はあまり気にしないタイプです。好きなものを食べればいいと思っていますが、そればかりでは良くないので、サラダなどで野菜を多めに食べる時もあります。それでも概ね好きなものしか食べていないので、その代わりに仕事をちゃんとしろというスタンスでやっています(笑)。

大学生 試合前は緊張すると思いますが、音楽などは聴いたりしますか?よく聴かれる曲も教えてください。

岩尾選手 試合前は常に聴いています。自分は結構周りのことが気になってしまうタイプなので、周囲の音などが耳に入らないようにするためです。曲は気分によって変えたりしていますが、基本的にはワールドカップ、オリンピックのテーマソングや、レミオロメンの「もっと遠く」ばかり聴いています(笑)。

大学生 最後に11月6日の北海道コンサドーレ札幌戦への意気込みをお願いします。

岩尾選手 現在首位の北海道コンサドーレ札幌にとって、J1昇格目前のタイミングでの試合になります。まず、そのようなチームを相手にしっかり結果を出すということがすごく大事になってくると思っています。そして、ヴォルティスの試合を見に来てくれるサポーターの方に勝利を届けることが、サポーターにとって良い1日につながるので、その方たちの想いを背負ってしっかり戦い抜きたいです。

大学時代の仲間も今はライバルです 井筒 陸也 選手(関西学院大学卒)

大学生 まず、サッカーを始めたきっかけから教えてください。

井筒選手 生まれつき体が弱く、ぜんそくの持病があったんです。お医者さんに何かスポーツをした方がいいと言われて、家の近くにサッカークラブがあったことから、サッカーを始めました。

大学生 今でもぜんそくの発作などは起こったりするのですか?

井筒選手 たまにありますね。それでもサッカーをやってきたおかげで、小さい頃よりはだいぶ良くなったと思います。

大学生 大学時代は主将としてチームをまとめてこられたそうですが、そこからプロになろうと決心したきっかけはどんなことですか?

井筒選手 4年生の時に就職活動もしていたのですが、サッカーとの両立が難しくなり、就職浪人するかプロになるかの二択を迫られたんです。今後の人生を考えていくにあたって、1度プロになって選手としてスポーツに携わっていくというキャリアも面白いのではないかと思いました。プロサッカー選手としてのキャリアや経験を自分の武器にすれば、もし、サッカーを辞めてからも何かしらつながっていくと思っています。

大学生 大学時代には主将として4冠(リーグ戦、関西学生サッカー選手権大会、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント、全日本大学サッカー選手権大会の4つの大会で優勝)を達成されたわけですが、その中で一番印象に残っている試合はありますか?

井筒選手 大学に入ってから1度も日本一になったことがなかったので、どんなものか分からなかったのですが、実際に夏の大会(総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント)で日本一になれた時はすごくうれしかったです。しかし、1年生があまりピンときてないというか、喜んでいるのか分からないような感じだったのを見て、チームとしてはまだまだダメだなと。優勝したのは良かったですが、そういう悔しさが残ったという点で忘れられない試合です。

大学生 大学の同期には、ヴィッセル神戸の小林成豪選手やガンバ大阪の呉屋大翔選手がいますが、試合に出ている姿を見て、自分も頑張らないといけないなと思ったりするのですか?

井筒選手 彼らはJ1というレベルの高いところでやっているので、なおさら刺激を受けています。最近、小林選手に会ったので、「おまえが試合に出とるところを見たら腹が立つ」って言ってやりました(笑)。応援しているというよりはライバルという感じですね。

大学生 大学時代の日本一を経てプロになったわけですが、プレーや心構えなど変化した部分はありましたか?

井筒選手 大学の時は自分がいいプレーをしようというよりは、主将としてチームをどのようにして勝たせるかということだけを、ピッチの外から眺めたり、人間関係をマネジメントしたりしながら考えていました。でも、プロの世界は自分の力が全てなので、いかに自分が必要とされる選手となって飯を食べていくかということになります。自分よりも大きな選手とぶつかっていく中で、今まで向き合えなかった自分の弱さも目の当たりにするので、その点はサッカー選手として成長させてもらっていると思います。あと、練習が午前中で終わると、午後から暇なんです。家に帰ってぼーっとしたりもしますが、結構考えてしまうタイプなので、その日の練習や将来のことを考えたりしています。

大学生 毎回の練習や試合に向けて、自分を高めるために課題を与えることはありますか?また、試合前に音楽を聴いたりしていますか?

井筒選手 常に変わらずにやっていきたいことは意識していますが、チームの中でも反省点や約束事があるので、その部分も含めながら今日はここが良かった、ここがダメだったと振り返ることはしています。試合前はバスの中で音楽を聴きますが、何かをやりながらではなく、音楽を聴く、ご飯を食べるなど、なるべく1つのことだけをやるようにしています。

大学生 よく聴く曲はありますか?

井筒選手 洋楽か邦楽かで分けるようにしますが、だいたい3カ月周期で聴く曲が変わります。

大学生 では今回、スタジアム学園祭が開催されるにあたって、文化祭や学園祭の思い出があれば教えてください。

井筒選手 大学の時は学園祭のにぎやかな雰囲気でみんながオシャレしている中、練習が終わった僕たちがジャージで歩いて、茶化して帰ってきたというような思い出しかないですね(笑)。サッカー部として店を出したりはしませんでしたが、その時期に公式戦がある時は宣伝のブースを出したり、普段あまり関わりのない学生やサッカーにあまり興味がなさそうな人にチラシを配ったりしていました。学園祭は1年に1回しかないイベントでしたけど、僕はそれだけですごく楽しむことができました。

大学生 大学では4冠を達成されて、サッカー部のメンバーはモテたのではないですか?(笑)

井筒選手 もちろん、サッカー部にはモテていた人もいましたが、僕はどちらかというと「すごいですね」とか「立派なキャプテンですね」という感じで接してこられたので、そんなことはなかったんです。ただ、4冠を達成したことで、人前で喋ったり、メディアに出る機会が増えたりして顔を知ってもらえるようになったこともあって、顔が利くようになったから多少は…という感じです(笑)。プロになった選手たちは当時から人気がありましたよ(笑)。

大学生 最後に11月6日の北海道コンサドーレ札幌戦に向けての意気込みをお願いします。

井筒選手 残り試合も少なくなりますが、チームのやるべきことは変わらないと思うし、個人としてもチームとしてもレベルアップできるように頑張っていきたいと思います。

スタジアム学園祭は県内の高校生と大学生が徳島ヴォルティスのホームゲームをプロデュースするイベントで、今年で7年目を迎えます。
今年も3高校6大学が自分たちの学校の特色を生かした企画を実施し、スタジアムを盛り上げますので、ぜひスタジアムにお越しください!

11月6日(日) 13:00キックオフ
北海道コンサドーレ札幌戦
参加校
徳島商業高校 小松島西高校 鳴門渦潮高校 
徳島大学 四国大学 徳島文理大学 鳴門教育大学 徳島工業短期大学 農業大学校

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