■リカルド ロドリゲス監督
『今日の山口は形を変えて臨んできましたが、チームは動揺することなく試合へ入れていたと思います。その中で何度か危険な場面もありましたが、それほど回数が多かったわけではありません。そうしているうちに、我々のチームに落ち着きが出て、相手のやりたい形も見えてきて、先制点を奪うことも出来ました。後半には2点を追加し、非常に良い形で試合を進めることが出来ました。
後半、相手は守備の時にいつも通りの4-4-2に戻してきました。終盤には多少押し込まれる場面を作られましたが、それほど危ない場面はなかったと思います。相手はクロスでチャンスを作ろうとしていましたが、それは彼らが元来実践していたサッカーですし、そういうことが起こりうると想定し選手にも伝えていました。
結果としては3-0での勝利、非常に良かったと思っています。4位という結果も我々にアドバンテージを与えてくれるものだと思うので、次の試合も全力で取り組み勝利出来るような準備をしていきたいと思っています』
Q:相手が予想外のシステムを採用したことで、何かやり方に変化を加えましたか?
『彼らが攻撃のところで4-2-3-1にしてくるだろうと思っていましたが、実際は全く違う形でした。我々としては4-4-2で守備に入り、相手SBの前進を防ぐような準備をしていました。ただ、彼らは形を変えて試合に入った後もさらに形を変えてきましたが、我々としては守備に隙を作らず対応し、狙っていたことも出来ていたので、相手に合わせてわざわざ形を変える必要はないと思い、そのまま試合を進めました。ボランチが落ちたりもしていましたが、特に気にせずそのまましっかりプレーするように指示しました』
Q:チャンスやシュートの場面ではなく、上手くビルドアップ出来ている場面で選手たちに拍手を送っておられましたね。
『我々が意図して自陣からつないでいく場面を見てもらえたと思います。そういう面もファンやサポーターが期待して試合を見てくれていると思っています。他チームとはやり方が違うように見るかもしれませんが、ゴール前のつなぎ方としては相手のバイタルエリア、中間層、そして自陣で常に相手ゴールへどう向かっていくのかをチーム全体が理解しており、それをピッチの中で表現してくれています。時には、我々がビルドアップで狙っている現象を相手が起こしてくれるので、そういった時にどうするのかを正しく実践できているのが今の我々の強みになっていると思います』
Q:対象チームが試合をする他会場の結果で、何か動きはありましたか?
『聞かないで進めようとしていました。ハーフタイムに他会場の結果を見ましたが、我々が試合に勝っていて、それが2-0、3-0になっていき、このまま続けていけば大丈夫だと思ったので、気にすることなく自分たちの試合に集中していました』
Q:1点リードして戻ってきたハーフタイム、後半積極的に追加点を狙う指示を出されましたか?
『2点目を取りに行き、その次は3点目だと言って送り出しました。得点しても後ろへ引かずにやっていくのが我々のやり方ですし、それはこれまでと変わりません』
■河田篤秀選手
『1点目は岩尾選手からのパスだと思います。目も合いました。まずは収めることを考えていたのですが、良い場所に置けたので、前を向いて迷わずシュートしました』
Q:その少し前でクロスバーに当てたシュートもありました。良い感覚が足に残っていたのでは?
『そうですね。今日は感触が良かったと思います』
Q:ボールを受けたら収めるというより、仕掛ける場面が多かったように思います。
『特にいつもと変わってはいませんが、相手は強くボールに来ていた中で、ファーストタッチでスペースへ置けると付いて来ていないと感じたので、意識してファーストタッチを前方向へ置くようにしました。
使うか使わないのかは出し手の判断ですが、僕は常に相手の背後を狙うようにしています。そうしないと相手DFがどんどん前に出てきて、プレーするスペースが消されてしまいます。
今日は走ったところを多く使ってくれたように思います。
プレーオフ出場は最低条件だと思っていました。これまでやってきたことを、変えることなくしっかり出すだけだと思っています』
Q:終盤に得点を重ねることが出来ています。要因はどこにあると感じますか?
『出られていない時もしっかりトレーニングに取り組んできたということと、チーム全体として攻撃が上手く出来ているので、ゴール前に行く回数が多くなり点数も増えているのだと思います』
■田向泰輝選手
Q:前節、そして今節と良い仕事が出来ているのではないですか?
『トータルで見るとミスもありましたし、いつもとは違うポジションに不慣れな部分はあります。でも前節経験した分、今節はしっかり試合に入れました。
前半僕のサイドは良い位置でボールを受けられず、攻撃の形を作れずにいました。でも後半はスペースも少しずつ空いてきて、良い形でボールを受けられたり、裏へ走れたりする場面も増えてきたので、これからまだ良くしていけるような感覚があります。まだ試合を残しているので、その点は楽しみでもあります』
Q:得点はサイドからサイドへ、良い形だったと思います。
『内田(裕)選手が上手く抜いてくれて、渡井選手にボールが出た段階で相手が大外の僕を捕まえ切れていないと感じたので、渡井選手を信じて走りました。顔が上がっていなかったので「見えているのかな?」と心配しましたが、しっかり見てくれていましたね。「ありがとう」と言っておきました。
今シーズンの初ゴールだったので、みんなにとてもいじってもらえました(笑)。みんなに支えてもらっていたので、本当はベンチへ行きたかったのですが、頭が真っ白になってしまい違う方向へ行ってしまいました。「全然ベンチに来ないじゃん!」て言われました。
今日はメンバー表を見た感じで、山口のシステムが違うことをある程度予想していました。
3枚の可能性が高かったのですが、試合の入りは今週自分たちが準備してきたことでしっかり対応しようとしました。その中でしっくりこないというか、あまり上手くいかないなと思った時は元の形に戻そうとしていました。僕たちには立ち返るところがあるので、自分たちで判断して変えるということが今は出来ます。そういう部分が、今日の試合展開で早く自分たちに流れを持ってこられた要因ではないかと思っています」
Q:いよいよ昇格プレーオフです。どのように戦いますか?
『今日の試合もそうですが、終盤はトーナメントだと思って試合に臨んでいます。今日勝ったことで次のラウンドへ進めました。そういう気持ちで次の試合にも臨み、前進を続けたいと思います。相手も甲府と決まっています。僕自身はリーグ後半戦でウタカ選手にやられた思い出があるので、個人的にはリベンジというか、しっかりと勝ち切りたい気持ちでいっぱいです。ただ、すごく力のあるチームには違いありません。少しの隙も見せられないピリピリした試合なると思うので、メンタル面から良い準備をして決戦に臨みたいです』
■野村直輝選手
『前半、河田選手が決めてくれた1点が大きかったと思います。あの得点のおかげで、ボールを握って試合を支配するという自分たちの戦い方を持ち直せたのではないでしょうか。ゴールに迫られる場面もありましたが、大きく崩されることもありませんでしたし、後手を踏んでいることもありませんでした。そうしているうちに追加点を奪え、またボールを握るスタイルで試合を進めることが出来たので、相手の変化を含めて気にするようなことは少なかったと思います。
今は自分たちのやることが明確になっているので、相手の出方によって対応は出来ます。そういう面はとても成長を感じていて、今日も不安要素はあまりありませんでした。』
Q:昇格プレーオフの相手は甲府に決まりました。どういった印象がありますか?
『まずは能力の高い外国籍選手がいるということです。ですから、不用意なボールロストには気を付けながら、チームとしてどう守るのかということが大事だと思います。また、どうやってボールを動かすのか、得点を取りに行くところとそうではないところの使い分けをはっきりしなければいけないと思います。それで勝てればいいですし、万が一負けたとしても、僕たちが一年間やってきたことを出すだけです。相手がどうこうというよりは、自分たちが積み上げてきたことを表現することが大事だと思っています。やるべきことをしっかりとやりたいです』
~ハーフタイムコメント~
・冷静であることを忘れずに戦おう
・攻守ともに前半のスタイルを継続しよう
・下がらずにプレッシャーをかけ続けること
~試合前日コメント~
■ヨルディ バイス選手
『(山口は攻撃力があります。その良さを消して行く戦いになるかと思いますが) 相手のことは関係ないです、自分たちに集中することが第一優先ですし、それだけです。 (明日は皆さんにどのような試合をお届けしたいですか?) 最終節ですが、あくまでも今までの41試合と同じようにベストを尽くして、良いサッカーを見せたいと思います。今までのホームゲームも一緒、今までの41試合も一緒。同じようにベストを尽くすだけです。あまり先のことは考えずに、しっかりこの1試合に集中することが大切で、自分たちの足元をしっかり見つめ直して、一歩一歩前進することが大事です。自分自身も、チームメイトも良いプレーをここまで見せているので、その中でいいプレーを見せられたら良いと思います。本当に天候のところもあると思いますが、それに関係なく応援に来て欲しいと思います。この試合はとても大事ですし、徳島ヴォルティスだけではなく、『徳島県民』にとっても大事な試合だと思うので、ぜひ応援に駆けつけてください。 (最後に、サポーターへメッセージをお願いします) サポーターと一緒に、いつも以上の大きな声で最後に歌いたいですし、サポーターには、僕に負けないような大きな声で声援を送って欲しいと思います。スタジアムに嵐が来るような、そのような雰囲気を作って欲しいですし、徳島のサポーターの声援は、『このスタジアムでプレーをしたくないな』と相手に思わせるので、それをぜひ見せて欲しい。徳島のサポーターはJ2で一番だと思っているので、この最終節でその『証明』をして欲しいと思います』