■甲本 偉嗣ヘッドコーチ
『相手はしっかりボールをつないでくるチームなので、如何に良いプレッシャーが掛けられるのかという部分にチャレンジしました。しかし、相手は僕たちが想定していなかったボールの動かし方をしていたので、上手くプレッシャーのかかっている場面が少なく、逆に相手に良い時間帯を多く与えていたので修正する必要があると考えていました。ただ、そのような中でも、前半から相手にダメージを与えられるようなポイントにボールが入っていたので、そこを起点に良い攻撃が広がっていけば良いなと思いながら前半を進めました。
後半はセットプレーで同点にされましたが、そのようなことが起きるという想定もしていました。例えそうなっても全員が一丸となって戦い続けようと確認していたので、選手たちが気持ちを切らさずやってくれたと思います』
Q:ボランチや渡井選手がポジションを落としビルドアップに参加していました。それは狙っていたことでしたか?それともピッチ内での判断でしたか?
『基本的にはCBとSBでボールを動かしたかったのですが、相手のプレッシャーを正面から受けていました。その対応策としてボランチが落ちるということもあらかじめ想定していたので、状況を見ながら選手たちが選択してくれました』
Q:開幕戦以来の出場となった石井選手は、効果的な縦パスを配球したり守備のオーガナイズで存在感を出して素晴らしプレーをしていました。
『統率力のある選手ですし、DFリーダーとしてしっかりまとめてくれたと思っています。おっしゃる通り鋭い縦パスもありましたし、よくやってくれました』
Q:時間帯や状況的に難しいタイミングで、鈴木徳真選手と浜下選手を投入した意図を教えてください。
『セカンドボールが拾えなくなり始めていたので、球際で強さのある鈴木選手を入れて試合を落ち着かせようと思いました。浜下選手は守備で牽制することに関して良いものがあります。またボールを持ってもしっかり仕事をしてくれますので、サイドで力を発揮してくれることを期待しました。そして宮代選手をトップに置くことで、相手DFの背後へタイミング良く飛び出すプレーを出してもらいたかったのですが、思った形で得点も生まれて良かったです』
Q:今季初勝利、またJ1リーグでのホーム初勝利に関して率直な感想を聞かせてください。
『2014年はファン・サポーターの皆さんと喜びを分かち合うことができず悔し思いがありました。今季は何度かチャンスがあった中でも勝ち切れていませんでしたが、今日こうして勝利しファン・サポーターの皆さんに勝利を届けられて非常に良かったと思っています。
ただし、やっとスタート地点に立てただけなので、今後の戦いにもチーム一丸となって臨みたいと思っています』
Q:宮代選手をトップに入れて変わった点はどこですか?
『垣田選手は体が強く、プレッシャーを受けながらでも前線で起点を作ってくれます。また相手SBの裏にボールを入れた時にも流れて受けてくれます。しかしあのタイミングは僕たちがボールを握れる時間帯でしたので、ライン間から相手DFの背後へという流れができればと思いそのような交代をしました』
Q:ポヤトス監督に今日の勝利をどう伝えますか?
『素直に「やったぞ。ようやく勝てたぞ」と伝えます』
Q:ここまでは先制しても追い付かれたり逆転されたりした試合がありました。しかし突き放せた今日は何が違いましたか?
『今日も試合前に選手と話しましたが、これまでは良い流れで得点した後に、積極的な守備をすることが少なくなっていました。それに対して、今日は決して受け身になるのではなく、得点した後でもプレッシャーをかけてラインを高く設定して攻撃する、またボールロストを怖がって後ろ向きにボールを動かすのではなくて、勇気を持って前へボールを進めていく。そしてそれらが勝利につながるのだということを理解してプレーしてくれたと思います』
■宮代 大聖選手
Q:今日の勝利について感想を聞かせてください。
『今日も追い付かれる展開になりましたが、そこで焦れることなくチームは最後まで戦い、自分は得点という形で貢献できましたし、全員の良い守備から生まれたショートカウンターだったので、全員の気持ちがひとつになった勝利だと思います。これを継続してやり続けないとJ1では生き残れないので、次の試合へ切り替えて準備を進めたいです』
Q:決勝点となった2点目の場面について振り返ってください。
『渡井選手がフリーで持った時に、スペースではなく足元へ出してほしいということは練習から言っていたので、互いの共通意識から良い形でゴールできたと思っています』
Q:それは、足元の技術に自信があるからですか?
『それもありますし、入れ替わるタイミングで足元の方が相手を置き去りにできるからです。自分もスピードのあるタイプではないので、足元へのパスを練習からやっていました』
Q:ゴールを決めた場面は落ち着いたループシュートでしたね。
『ファーストタッチが長くなりましたが、GKはしっかりと見えていましたので少し浮かせました。カバーのDFに触られそうでしたが、入って良かったです』
Q:概ね試合を通してリズムを持っていられたのはどこが良かったのでしょうか?
『特に後半、何度か良い形でボールを前線で奪い相手ゴールへ迫ることができました。そこはポジティブに捉えています。ただ、押し込まれる時間もあったので、勝ち切りましたが改善点の多く出た試合だった思います』
Q:ポヤトス監督からオンラインミーティングで求められていることはありますか?
『個人的にはありませんが、ポジションごとに要求があります。それに対しての修正点は現場のスタッフやコーチ陣に聞きながらやっています。全てをできているとは言いませんが、改善を重ねながらできている部分が多くなっていると思っています』
Q:五輪とか世代別代表についてはどのように意識していますか?
『もちろん目標にしているので、選ばれたい気持ちはあります。でも、まずはヴォルティスで結果を出すことが自分の中で最優先です。今日は点を取れてチームに貢献できましたが、もっともっとゴールに絡む仕事でチームに貢献したいと思っています』
■渡井 理己選手
Q:今季初勝利の感想を聞かせてください。
『チームとしてずっと勝利を欲していました。J1チームが相手で難しい試合ばかりですが、今日勝てたことは本当に嬉しいです』
Q:勝利に直結した2点目の場面について聞かせてください。
『良い位置でボールを奪えて自分のところに入ってきたので、ドリブルで仕掛けながら次のプレーを考えようと思っていました。相手DFが混乱していたのと、宮代選手のランニングのタイミングが良かったので、足元から足元へのパスでしたが、上手く通って決めてくれました』
Q:ポジションを下げてつなぎの役割を担っていたのは自身の判断でしたか?
『そうですね。左サイドでCBが持ち上がった時に相手が上手くコースを限定していたので、自分がラインの間に入りながらポジションを取ったり、またボールが前線に入った時は後ろからサポートに出て行くというプレーを出せたので、攻撃面ではしっかりとやれたと思います。
昨年よりビルドアップにかかわる回数は減りましたが、今日はゴール前に入ってシュートで終わるという場面も何度かあって、今季心掛けているプレーが出せてきたのかなと思っています』
Q:今日の勝利の意味とこれからについてコメントをお願いします。
『このホーム初勝利をきっかけに、ますますギアを上げてやっていかなければいけないと思っています。また今日だけではありませんが、相手に支配される時間が多いので、自分たちが主導権を握るサッカーを90分通してやり続けられるように、自分たちらしさを突き詰めていかなければと思っています』
■岩尾 憲選手
『結果として勝点3をホームで取るということは、僕たちにとってもクラブにとってもサポーターの皆さんにとっても意味のある勝点3になったので、それに関しては非常に良かったと思っています。一方で内容や自分たちのクオリティについて言うと、まだまだJ1レベルではない部分がたくさんあるので、勝ったからOKではなく、冷静に課題を抽出するということと、その課題をできるだけ早く解決していく必要があると思っています。個人的にはセットプレーで自分のマークに同点弾を食らっています。僕の立場であのようなことが起きるのはチームにとっても良いことではありません。しっかりと反省して、また次に進みたいと思います』
Q:事前に準備してきたことは試合の中で表現できましたか?
『プランを持って入りましたが、それを実践できる状態とか時間帯とかとの兼ね合いもあります。また、プランだけではクリアし切れないことも当然あるので、起きている状況と必要なプレーを理解してやっていく必要があると思います。
今日は勝ちたいという気持ちが勝利を呼び込んでくれたと思っています。その気持ちはとても大事ですが、それだけでは勝ち進むことはできません。プランと気持ちの両方を高いレベルで融合させていくことがこれから大事になると思います』
Q:この勝利をどのように次へつなげますか?
『連戦が終わり、次の試合まで少し時間があります。心身ともに一度フレッシュになり、週末の試合でやるべきことやトライすること、質を上げなければいけないことがまだまだたくさんあるので、時間だけが過ぎないように、良い準備をしていければと思います』
Q:今日の勝利を次につなげなければいけませんね。
『今日の試合が最低限のベースです。これを続けるのと、プラスアルファで自分たちのできることを増やしていかなければいけないと思っています』
~ハーフタイムコメント~(甲本偉嗣ヘッドコーチ)
・0-0の気持ちで、もう1点を取りに行こう
・自分たちで流れを作れるように、強く入ろう
・攻守において、メリハリとスピード感の意識を忘れないように
~試合前日コメント~
■宮代 大聖選手
Q:横浜FM戦を振り返って
『自分たちが主導権を持ってボールを握ってゴール前まで持っていく回数はそれほど多くなかった試合だと思っています。もっと相手のプレッシャーを見てやっていかないといけないし、勝つためにその回数を増やしていく必要があると感じました。あとはクロスの場面が多かったですけど、クロスの出し手と受け手の共通理解が薄かったと感じたので、次の試合までに改善したいです』
Q:横浜FC戦に向けて。
『ボールを握って上手くつないでくるサッカーですし、前線に強力な選手がいてそこにボールを集めてくる印象があります。どちらのチームもボールを持ちたい試合になると思いますが、自分たちが主導権を握れるような試合にしたいです。守備面では、横浜FM戦のように、前からプレッシャーをかけていきたいと思っています。攻撃面ではクロスのところやボールの運び方は、相手が違っても自分たちのやるサッカーは変わらないと思うので、もっとコミュニケーションを取りながらやっていきたいと思います』
Q:ボールの運び方というのは、具体的には?
『ポジショニングや味方と相手の動きをよく見てプレーすることが大事になってくると思います。相手がどういうプレッシャーをかけてきてボールをどう取りたいのか、試合中に理解してすぐに適応できるようにやっていきたいです』
Q:宮代選手自身もそろそろゴールが欲しいですね。
『チームも勝てていないですし、自分がゴールを決めてチームを勝たせたい気持ちもあります。自分たちの良い時間帯に追加点を取ることが課題だと思っています。自分自身もしっかり狙っていきたいと思います』